恐怖支配と性的暴行...「世界で最も孤立した場所」南極基地で何が? 「完全に壊れた人も」
Life at the Extreme
事件を起こした男性は「後悔の念を示している」
2月に明るみに出た事件を機に、南極に長期滞在するメンバーを決めるときの心理学的な選考基準に関心が集まっている。2019年にフラングワニが派遣されたときには、「心理学的な選考なんてなかった。『仕事が決まったぞ。南極に行ってこい!』という感じだった」と語る。
ただ、南極での滞在中、政府の一般的なサポートはあったし、生活環境を改善するための取り組みもなされていたという。医師が常駐していて、メンタルヘルスのカウンセリングも随時してくれた。
今回、性的暴行を働いたとされる男性も、その後カウンセリングを受け、「後悔の念を示している」と南アのディオン・ジョージ森林・水産・環境相は語る。被害者に謝罪文を書いたとも報道された。
孤独や寒さ、そして精神的な不調もあったが、フラングワニはサナエ基地で働いたことを、深い愛情と誇りを持って語る。当初は1年3カ月だった契約を3年に延長することに同意したのも、有意義な経験だと感じていたからだ。
「南極大陸で働くなんて、よそでは得られない経験だ。誰かから聞いただけでは分からない、特別な経験だ」と、彼は言う。「もしまた働く機会があると言われたら、すぐに引き受けると思う」