恐怖支配と性的暴行...「世界で最も孤立した場所」南極基地で何が? 「完全に壊れた人も」
Life at the Extreme
「全員が、1人の女性の歓心を得るために競い合った」
フラングワニも短期記憶喪失を経験した。「自室を出てキッチンに行こうとするのだが、キッチンに着く前に何をしようとしたか忘れてしまう。また、ビタミンが不足しているため気分が落ち込んだ」
だからフラングワニは家族に、定期的に連絡してほしいこと、ただし絶対に「ストレス」は与えないでほしいことを伝えたという。「孤立した場所でストレスを感じたくなかった。孤立とストレスが重なって、とんでもない行動を取る人もいたから」
何カ月も太陽が昇らない時期と沈まない時期が交互に来るため、体内時計がおかしくなる。多くの仲間は睡眠薬を常用していたが、睡眠のパターンが乱れてしまったことに、とても苦しんでいる人もいたという。
「いつ就寝すればいいのか分からなくなる」と、フラングワニは言う。「普通に眠るのがとても難しくなる」
性的な理由で基地内に緊張が生じることもあった。フラングワニの3年間の基地滞在中、2番目に所属したチームは、男性が8人で女性が1人という構成だった。「8頭の雄牛と1頭の乳牛が一緒にいるようなものだった」
「全員が、その女性の歓心を得るために競い合った」とフラングワニは振り返る。「当然、ちょっとしたけんかや、仲たがいが起こる」