アルミ缶買い取り体験記...トランプ関税がホームレスの生活にも影響
ホームレスによる収集はアルミ缶リサイクルのごく一部
アメリカのトランプ大統領が発動した関税の中には、鉄鋼とアルミニウムの輸入に課す25%の追加関税がある。それによってアメリカ国内の鉄鋼とアルミニウムの価格は高騰し、国際市場では鉄鋼とアルミニウムの供給過多を招いた。
つまり、アメリカの高関税政策により、カナダなどアルミニウム主要供給国のアメリカへの輸出が阻害された。結果、アルミニウムを別の国に低価格で転売することを余儀なくされ、国際価格の不均衡が激化した。また、サプライチェーンの再構築もアルミニウム市場に変化をもたらし、価格にも影響を与えた。
こういうわけで、日本のアルミ缶の価格も下落したのである。
そんなアルミ缶だが、日本ではその回収ルートは主に3種類ある(資料:アルミ缶リサイクル協会)。
1つ目は自治体などによる廃棄物の分別収集、2つ目はスーパーやコンビニなどでの拠点回収(店頭回収)、3つ目は町内会や小中学校、NPO法人などがボランティア活動として行っている集団回収である。
知的障害者支援施設では、地域との交流や社会参加の取り組みとして集団回収を行っているところもある。アルミ缶は廃棄物の中でも価値が高いため、売却益を活動資金に使ったり、福祉活動に使ったりする動きが広がっている。
ホームレスたち個人によるアルミ缶の収集は、アルミ缶回収の中でわずかな部分しか占めていないだろう。