最新記事
荒川河畔の原住民⑫

日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う

2024年11月20日(水)20時00分
文・写真:趙海成
荒川河川敷のホームレス

ホームレスたちは人々の「無関心」にさらされている

<ホームレスに関するルポを発表している在日中国人ジャーナリストの趙海成氏は、あることに気が付いた。もちろん善良で思いやりのある人もいるが、一般的な日本人はホームレスを軽蔑するか、無関心なようだ>

視線とペン先を日本のホームレスに向け始めてから、私はあることに気が付いた。周りの日本人の友人と中国人の友人が、私のこの「行動」に全く異なる反応をしていることだ。

中国の友人たちの評価はほとんどが賞賛と励ましだ。例えば――

「いいですね! ほかにも特別な人の物語を続けてやってほしい」
「このテーマは日本社会の生存環境を明らかにするもので、斬新だ!」
「私の知らない日本社会を見せてくれた」
「この分野を開拓した中国人作家として、あなたは第一人者だ」
「あなたが記録しているのは他人から無視された人々。これほど発達して文明的な社会にこんな人たちがいるなんて。アメリカの映画『ノマドランド』(クロエ・ジャオ監督)に似ていると思う」
「中国人がこんなに日本をよく観察できるなんて、とても素晴らしいと思う」

一方、このルポの中国語版を発表している私の微信(WeChat)には日本人もいるが(人数はそれほど多くない)、彼らはほとんど反応していない。私がどうしてホームレスに興味を持ち始めたのか理解していないに違いないし、不思議に思っていることだろう。

これは何を意味するか。ひと言で言えば、大多数の日本人はホームレスを軽蔑しているか、あるいは無関心なのだろう。

その理由について、ある日本人の友人に尋ねた。

食と健康
消費者も販売員も健康に...「安全で美味しい」冷凍食品を届け続けて半世紀、その歩みと「オンリーワンの強み」
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

石破首相が退陣表明、米関税で区切り 複数の後任候補

ワールド

石破首相が辞任表明、米大統領令「一つの区切り」 総

ワールド

インドは中国に奪われず、トランプ氏が発言修正

ワールド

26年G20サミット、トランプ氏の米ゴルフ場で開催
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「稼げる」はずの豪ワーホリで搾取される日本人..給与は「最低賃金の3分の1」以下、未払いも
  • 3
    「あのホラー映画が現実に...」カヤック中の男性に接近する「超巨大生物」の姿に恐怖と驚きの声「手を仕舞って!」
  • 4
    ロシア航空戦力の脆弱性が浮き彫りに...ウクライナ軍…
  • 5
    金価格が過去最高を更新、「異例の急騰」招いた要因…
  • 6
    コスプレを生んだ日本と海外の文化相互作用
  • 7
    眠らないと脳にゴミがたまる...「脳を守る」3つの習…
  • 8
    「ディズニー映画そのまま...」まさかの動物の友情を…
  • 9
    今なぜ「腹斜筋」なのか?...ブルース・リーのような…
  • 10
    「日本語のクチコミは信じるな」...豪ワーホリ「悪徳…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 3
    眠らないと脳にゴミがたまる...「脳を守る」3つの習慣とは?
  • 4
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...…
  • 5
    「あのホラー映画が現実に...」カヤック中の男性に接…
  • 6
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 7
    「生きられない」と生後数日で手放された2本脚のダ…
  • 8
    「よく眠る人が長生き」は本当なのか?...「睡眠障害…
  • 9
    「稼げる」はずの豪ワーホリで搾取される日本人..給…
  • 10
    「見せびらかし...」ベッカム長男夫妻、家族とのヨッ…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 6
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 7
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 8
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 9
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 10
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中