連日、全国各地で最高気温が40度を超える酷暑日となっていますが、そんな中で、早くも年末のクリスマス商戦がスタートを切る業界があります。海運業です。天気とは対照的に冷え込みがちな8月相場で日本郵船<9101>に注目したい理由は、そこにあります。
AI関連株が乱高下を続け、市場の視線はどうしても半導体へ向かってしまいます。しかし、世界経済を支えているのは今も物流。株価の材料は、陸ではなく海の上で生まれる──。日本郵船がその変化を映す銘柄となるかどうかが、この夏の焦点のひとつとなりそうです。
中東情勢が海運株にもたらすプラス材料
日本をはじめとするアジア各国で生産された商品は、船で欧米へと運ばれ、港から倉庫、小売店へと届けられます。この物流には数週間から1か月以上かかるため、貨物は、その数か月前に動き始めます。
一年で最も消費が活発になる年末商戦。そこに向けた貨物は、夏に本番を迎えます。その結果、コンテナ輸送は7・8月に間最大の繁忙期を迎えるのです。
この季節的な需要増に加え、今年は、中東情勢の緊迫化という地政学的なリスクが重なります。現在、多くのコンテナ船は危険回避のために紅海・スエズ運河を通らず、アフリカ南端の喜望峰を迂回するルートを選択しています。
これにより航海日数が大幅に伸び、船の稼働効率が低下。船舶の絶対数は変わらなくても、市場全体で実質的な「船不足」が発生しているのです。
需要が増える時期に使える船が減れば、当然、運賃は上昇します。実際、コンテナ運賃は7月初めの時点で上昇基調にあり、海運市況は改善しています。運賃上昇は海運会社の収益改善への期待につながることから、投資家の間では海運株を見直す動きが広がりつつあるのです。
川崎・三井ではなく日本郵船を選ぶ理由
日本の海運株と言えば、かつてコロナ禍で相場の主役に躍り出た、日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>の大手3社です。ただし、事業構造や市況への感応度は一様ではありません。