画期的な新研究で、ウクライナ侵攻に加わるロシア兵の心理が明らかになった。彼らは国家のプロパガンダを信じている。そして信じる度合いが強い人ほどウクライナ人を自分たちと同じ人間と見なさず、この戦争は必要かつ合法であると確信している。

彼らはまた、ロシア語とロシア正教で結ばれた国境をまたぐ広域的な文明圏「ルースキー・ミール(ロシア世界)」の一員であることに誇りを持ち、ロシア世界を守る戦いに命をささげる覚悟がある。

こうした調査結果は、国家のレトリックが戦地での残虐行為につながる心理的な土壌を生み出すことを浮き彫りにしている。プロパガンダを行う者たちの法的責任については、国際法の整備が追い付いていないが、そのギャップを埋めるためにも今回の調査結果は有効なデータとなるだろう。

ウクライナのNGO「リングバレクサ」は、ウクライナ検事総長室の支援を受けて、捕虜となったロシア兵1060人の意識調査を実施。結果は衝撃的だった。回答者の76%が提示された18のナラティブ(物語)の少なくとも1つを真実だと思い込むなど、ロシア政府のプロパガンダが大いに浸透していたからだ。

広く支持されていたナラティブをいくつか挙げると次のようなものだ。いわく「ロシア人とウクライナ人は1つの民族だ」「ウクライナ東部のドンバス地方とクリミアの親ロ派武装組織は自分たちの権利を守るために戦う普通のウクライナ人だ」「ウクライナ政府は西側の傀儡政権だ」「NATOはウクライナを通じてロシアに戦争を仕掛けている」。

一方で、「ウクライナの政府と軍部はネオナチだ」「NATOはロシアを攻撃するためにウクライナで生物兵器を開発している」「ウクライナ軍は市民を人間の盾にしている」といったナラティブを信じている捕虜は比較的少なかった。だが、それでも調査対象の捕虜の60%余りが信じていた。

捕虜への調査を実施
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