最新記事
米大統領選

ハリスはトランプの自制心失わせる戦略か 10日に米大統領選討論会開催

2024年9月5日(木)10時41分
カマラ・ハリス

10日に開かれる米大統領選の候補者討論会で民主党のハリス副大統領(写真)は、ソーシャルメディアへの反響を念頭に置きつつ、共和党のトランプ前大統領の自制心を失わせるとともに、近年のトランプ氏による頻繁な虚偽の発言が注目される方法に重点を置いて準備を整えている。写真は2日、ミシガン州デトロイトで撮影(2024年 ロイター/Brendan McDermid)

10日に開かれる米大統領選の候補者討論会で民主党のハリス副大統領は、ソーシャルメディアへの反響を念頭に置きつつ、共和党のトランプ前大統領の自制心を失わせるとともに、近年のトランプ氏による頻繁な虚偽の発言が注目される方法に重点を置いて準備を整えている。ハリス氏陣営の関係者が明らかにした。

関係者によると、ハリス氏は今回の討論会で、米国の国境沿いの壁やインフラ、新型コロナウイルスのパンデミックに関するトランプ氏の失敗に焦点を当てる計画だ。ただ、個人的な攻撃に引き込まれることは回避したいと考えている。

トランプ氏陣営はこれまで、ハリス氏とバイデン大統領の政権運営を巡り、インフレや大量の不法移民流入、経済政策を槍玉に挙げて非難してきた。新型コロナウイルス感染症による死者数は、トランプ政権下よりもバイデン政権下の方が多かった。

全米の世論調査でハリス氏がトランプ氏を若干リードして以降、トランプ氏のハリス氏に対する攻撃は激化している。

ハリス氏は政策に焦点を絞った演説を何度か行っているが、有権者は同氏のより詳しい政策を知りたがっている。

共和党のストラテジスト、リナ・シャー氏は「激戦州の無党派層は今なお、ハリス氏からもっと詳しい政策の提案を聞く必要があり、聞きたいと思っている」と指摘。「ハリス氏はトランプ政権下での失敗について事実や数値、データを使ってトランプ氏に反撃する必要があるだろう」と述べた。

2020年の大統領選で自分が勝利したとの虚偽の主張を繰り返してきたトランプ氏に、ハリス氏がどのように対峙するかも、注目されるポイントだ。

民主党のストラテジスト、ジェームズ・カービル氏は4日、ニューヨーク・タイムズ紙への寄稿で、「ハリス氏は自分についてトランプ氏に語らせるべきだ。語らせるだけでなく、トランプ氏が前回大統領選を巡る正気の沙汰ではない陰謀論を持ち出すよう駆り立てるべきだ」と主張した。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン


Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 世界が尊敬する日本の小説36
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年9月16日/23日号(9月9日発売)は「世界が尊敬する日本の小説36」特集。優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米CB景気先行指数、8月は予想上回る0.5%低下 

ワールド

イスラエル、レバノン南部のヒズボラ拠点を空爆

ワールド

米英首脳、両国間の投資拡大を歓迎 「特別な関係」の

ワールド

トランプ氏、パレスチナ国家承認巡り「英と見解相違」
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の物体」にSNS大爆笑、「深海魚」説に「カニ」説も?
  • 2
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍、夜間に大規模ドローン攻撃 国境から約1300キロ
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    アジア作品に日本人はいない? 伊坂幸太郎原作『ブ…
  • 7
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 8
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 9
    中国経済をむしばむ「内巻」現象とは?
  • 10
    「ゾンビに襲われてるのかと...」荒野で車が立ち往生…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 4
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 5
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の…
  • 10
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 9
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中