最新記事
インド

【モディ首相・独占インタビュー】「世界3位の経済大国になりたい」...インドはなぜ「自信満々」なのか?

“I AM ALWAYS IN THE MOMENT”

2024年5月22日(水)15時25分
ダニシュ・マンズール・バット(アジア地域編集ディレクター)
モディ首相

総選挙の投票開始の直前に、モディ首相(中央)は本誌のインタビューに応じた PMO INDIA

<「私は常に集中している」...本誌の独占インタビューに応じたモディは、経済発展や女性の地位向上、日米豪印でつくる戦略的枠組みの「クアッド」に至るまで語った>

インドが中国を抜いて世界最大の人口大国となって1年。急速な経済成長を遂げ、外交、科学、軍事の各分野で存在感を増すインドは、世界でさらに重要性を高め、新しい超大国になろうとしている。

インドのナレンドラ・モディ首相は本誌が事前に送った質問に書面で答えた後、首都ニューデリーの首相官邸で1時間半にわたり本誌の独占インタビューに応じた。本誌側の出席者はCEOのデブ・プラガド、グローバル編集長のナンシー・クーパー、アジア地域編集ディレクターのダニッシュ・マンズール・バット。

トピックはモディのリーダーシップの下での経済発展をはじめ、インフラの拡張と環境問題との関係、中国との競争、報道の自由を制限しているとの批判、女性の地位向上など多岐にわたった。以下はその要旨。

◇ ◇ ◇


■6月1日まで投票が行われている総選挙について

私たちには、公約を果たしたという素晴らしい実績がある。公約が実行されない状況に慣れていた国民にとって、これは大きな進歩だ。

国民の間には、誰かが政府プログラムの恩恵を受けたなら、同じ恩恵が自分たちにも届くという信頼感がある。インド経済が世界11位から5位にまで躍進する様子を人々は目の当たりにしてきた。この国がいま望むのは、近いうちに世界3位の経済大国になることだ。

■民主主義と報道の自由について

インドは民主主義の「母国」だ。(南部)タミルナド州のアタラマーアーには、インドの民主主義的価値観を刻んだ1100~1200年前の銘板がある。わが国は世界最大の民主主義国家で、今回の総選挙では9億7000万人以上が投票する。

インドのような民主主義が前進できるのは、監視機能が作用しているからこそだ。この点でインドのメディアは重要な役割を果たしている。

■インフラ拡大と環境問題について

過去10年におけるインドの変革は、インフラの急速な整備によって加速された。国道網は2014年の9万1287キロから昨年は14万6145キロへと約60%延びた。空港は14年の74カ所から現在は150カ所以上と、2倍以上に増えている。

港湾の能力も「サガルマラ計画」により強化され、運営効率が改善した。市民の快適な移動のためにハイテクを駆使した「バンデ・バーラト急行」の運行をはじめ、手頃な価格で庶民の航空機による移動を促進する「ウダン計画」もスタートさせた。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イスラエルがイラン再攻撃計画か、トランプ氏に説明へ

ワールド

プーチン氏のウクライナ占領目標は不変、米情報機関が

ビジネス

マスク氏資産、初の7000億ドル超え 巨額報酬認め

ワールド

米、3カ国高官会談を提案 ゼレンスキー氏「成果あれ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦い」...ドラマ化に漕ぎ着けるための「2つの秘策」とは?
  • 3
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    「何度でも見ちゃう...」ビリー・アイリッシュ、自身…
  • 6
    70%の大学生が「孤独」、問題は高齢者より深刻...物…
  • 7
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 8
    中国最強空母「福建」の台湾海峡通過は、第一列島線…
  • 9
    ロシア、北朝鮮兵への報酬「不払い」疑惑...金正恩が…
  • 10
    週に一度のブリッジで腰痛を回避できる...椎間板を蘇…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 9
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 8
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中