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半導体の公的補助は中国を利する...西側勢はどう動くべき?

CHIP SUBSIDIES BENEFIT CHINA

2024年1月16日(火)19時00分
ダニエル・グロー(欧州政策研究センター研究部長)

現に中国は集積回路の世界最大の輸入国で、チップ確保のために原油輸入のコストを上回る年間4000億ドル超を投じている。

最先端の輸入チップなしには、中国企業は次世代型の電子機器を製造できないし、最先端チップを国産化しようにも、それに必要な製造設備の大半は自国では作れない。以上からはっきり言えることが2つある。1つは近い将来に中国が半導体大国になる可能性は極めて低いこと。もう1つは、西側勢が半導体産業の振興に注力し、政府の支援で建設されたファブが生産を開始すれば、半導体の価格は下がること。

そうなれば一番得をするのは、半導体輸入で世界最大の中国だ。半導体価格が20%下がれば、中国の輸入額は年間800億ドル減る。中国は輸入チップの多くをスマートフォンなど輸出向けの電子機器に使用しているから、西側の公的資金のおかげで中国の輸出産業が大いに潤うことになる。

西側勢が中国に追い越されまいと半導体産業振興に大枚をはたくことは不必要なばかりか、むしろ逆効果になるのだ。

©Project Syndicate


240123p15_Daniel-Gros.jpgダニエル・グロー
DANIEL GROS
ドイツ出身の経済学者。IMFのアドバイザーなどを経て、現在はシンクタンク欧州政策研究センター研究部長。主な研究テーマはEUの経済政策で、欧州議会への助言も行う。

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