最新記事
中国政治

中国高官がまた1人忽然と消えた...中国共産党内で何が起きているのか?

2023年9月25日(月)12時55分
ジェームズ・パーマー(フォーリン・ポリシー誌副編集長)
李尚福国防相

解任がささやかれる李尚福国防相 RUSSIAN DEFENCE MINISTRYーHANDOUTーREUTERS

<秦剛外相が7月に解任され、李尚福国防相も8月29日に北京で行われた「中国アフリカ平和安全フォーラム」を最後に姿を消している。「消息不明」が相次ぐ理由とは?>

中国の李尚福(リー・シャンフー)国防相が公の場から姿を消して3週間余り。公式の発表はないが、当局に拘束されて取り調べを受けており、近く解任されるとの見方が有力視されている。

中国では有力者の動静が突然途絶えるのは珍しいことではない。7月には、1カ月にわたり消息不明だった秦剛(チン・カン)外相が職を解かれた。不倫問題などが理由とされる。

李の場合、軍装備品の調達をめぐる汚職問題に関連して調査対象となっている可能性が高い。また軍の宇宙開発を率いてきた経歴から、核ミサイルの管理・運用に当たる「ロケット軍」の司令官らが7月末に更迭された件との関連もささやかれる。

わずか数カ月の間に外相と国防相が失脚したことで、任命した習近平(シー・チンピン)国家主席の判断に疑問の声が上がりかねない。

不安を募らせた習が自身の政治的立場を守るために中国共産党内の監視や規律維持を強化すれば、さらなる粛清が待ち受けているかもしれない。

From Foreign Policy Magazine

企業経営
ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パートナーコ創設者が見出した「真の成功」の法則
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

タイ・カンボジア国境の緊張高まる、銃撃応酬で1人死

ビジネス

インフレリスクは上振れ、小幅下振れ容認可能=シュナ

ビジネス

エネルギー貯蔵、「ブームサイクル」突入も AI需要

ワールド

英保健相、スターマー首相降ろし否定 英国債・ポンド
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 2
    炎天下や寒空の下で何時間も立ちっぱなし......労働力を無駄遣いする不思議の国ニッポン
  • 3
    ファン激怒...『スター・ウォーズ』人気キャラの続編をディズニーが中止に、5000人超の「怒りの署名活動」に発展
  • 4
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 5
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 6
    ついに開館した「大エジプト博物館」の展示内容とは…
  • 7
    冬ごもりを忘れたクマが来る――「穴持たず」が引き起…
  • 8
    「麻薬密輸ボート」爆撃の瞬間を公開...米軍がカリブ…
  • 9
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 10
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 4
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 5
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 6
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 9
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 10
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中