最新記事

UFO

米政府が1500ページのUFO調査資料を公開

What Pentagon UFO Report Reveals, According to Leading Expert

2022年4月7日(木)19時05分
ジェラード・カオンガ

UFO現象は日陰の存在から日の当たるれっきとした調査対象になってきた、と専門家は言う PhonlamaiPhoto-iStock.

<UFO現象が即、宇宙人の存在を示すわけではないが、米議会の関心は高まっていると専門家>

米国防総省は4月5日、UFO調査に関する1500ページを超える機密文書を公開した。

これは英タブロイド紙「サン」がアメリカの情報自由法(FOIA)に基づいて2017年、米先端航空宇宙脅威識別プログラム(AATI)Pに情報開示を求めていたものだ。

AATIPは未確認航空現象(UAP)を調査するためのプロジェクトだ。その存在は数年前から噂されていたが、昨年12月に正式に存在が明らかになった。

AATIPが公開した文書は1574ページにわたる。これを受け、UFOの専門家であるニック・ポープは米テレビ局ニューズネーションの取材に答え、UFOに関しこれまでに分かっていることは何か語った。

ポープはイギリス政府のUFO調査の責任者を務めていた人物だ。UFOとされる現象が国防上の問題となるかどうかについての判断にも関わってきた。

ニューズネーションによれば、ポープは宇宙人による誘拐やミステリーサークルといった怪現象についても調べてきたという。

ポープは、これまでに集まった情報だけではまだ、他の惑星から地球に訪問者があったことは証明できないが、宇宙人の存在について結論を出せる日は近付きつつあるという。

次世代の軍事技術の可能性も

「この3〜4年間にこの(UFO)問題は日陰から日の当たる場所へと出てきた」とポープは語った。

「レーダーで捕捉されたこれらの(UFOらしき)ものをジェット機が追跡するビデオや米海軍のビデオも複数見たし、パイロットや情報関係者からも話を聞いた。これらの現象は現在進行形で、UFOばかりとも言いきれない。パイロットたちは、実は他にも『X-ファイル』の脚本から出てきたようなものを見ているんだ」

ポープによればこうした現象の一部は次世代ステルスジェット戦闘機の技術である可能性も否定できないという。

「もちろん、政府は(UFOらしきものの目撃情報について)正体は分からないと言うだろう。なぜなら敵国に知られたくないからだ。大いにあり得る話だ」とホープは述べた。

「次世代航空技術、つまり航空機やドローンの秘密の試作機だという可能性もあるし、アメリカの技術が秘密裏にテストされているのではと言う人もいる。軍の一部が他の部門に対し、反応を見ようと仕掛けたのだというわけだ。もちろん、ロシアか中国からのIT攻撃だという見方もできる」とポープは述べた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏の昨年資産報告書、暗号資産などで6億ドル

ワールド

イラン、イスラエルとの停戦交渉拒否 仲介国に表明=

ワールド

G7、中東情勢が最重要議題に 緊張緩和求める共同声

ワールド

トランプ氏、イスラエルのハメネイ師殺害計画を却下=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 2
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 3
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 4
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 5
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 6
    メーガン妃とキャサリン妃は「2人で泣き崩れていた」…
  • 7
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染…
  • 8
    さらばグレタよ...ガザ支援船の活動家、ガザに辿り着…
  • 9
    ハルキウに「ドローン」「ミサイル」「爆弾」の一斉…
  • 10
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 5
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 6
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 7
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 8
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 9
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 10
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中