最新記事

日英関係

ブレグジット後は日本と仲良くなりたいイギリスの事情

“GLOBAL BRITAIN” AND JAPAN

2021年3月30日(火)18時00分
ナイアル・グレー

ただし対中政策については日英の立場に違いがあり、両国関係に亀裂を生みかねない。

その点を強く示唆するのが、イギリスの提唱する「民主主義10カ国(D10)連合」だ。イギリスは6月に自国で開催するG7首脳会議に、オーストラリア、インド、韓国という3つの民主主義国を加えて、5G技術のように政治的な意味合いを含む問題を議論したい意向だ。ここには覇権主義を強める中国に対抗する狙いもある。

日本側はD10創設によって外交面での地位が脅かされると感じたのか、この動きへの懸念を示したと1月に報じられた。何より、長年のライバルである韓国を主要国として取り込むことを警戒した可能性が高い。

日英両国にとっては、イギリス側の野望の大半が抽象的な議論にとどまっている状況が一番なのかもしれない。EU離脱後のイギリスが日本、そしてアジア太平洋地域に対して抱く期待を現実のものにするには、これまでの年月で効果が実証されている「目立たない外交」が重要になる可能性がある。

From thediplomat.com

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

仏レミー・コアントロー、30年の売上拡大目標撤回 

ビジネス

中国航空会社がエアバス機の大規模発注検討と報道、欧

ビジネス

バークレイズ、S&P500種指数の年末目標を605

ワールド

天安門事件36年、台湾総統と米国務長官が犠牲者を追
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:韓国新大統領
特集:韓国新大統領
2025年6月10日号(6/ 3発売)

出直し大統領選を制する李在明。「政策なきポピュリスト」の多難な前途

メールマガジンのご登録はこちらから。
メールアドレス

ご登録は会員規約に同意するものと見なします。

人気ランキング
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 3
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 4
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 5
    ペットの居場所に服を置いたら「黄色い点々」がびっ…
  • 6
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
  • 7
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
  • 8
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 9
    ウクライナが「真珠湾攻撃」決行!ロシア国内に運び…
  • 10
    「ディズニーパーク内に住みたい」の夢が叶う?...「…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中