[香港/台北 5日 ロイター] - 中国は2026年予算案で国防予算を前年比7%増の1兆9100億元(2770億ドル)計上した。7%台の増額は5年連続。李強首相は5日、全国人民代表大会(全人代)で戦闘即応態勢の強化⁠と「高度な戦闘能力」の開発加速を表明した。

国防予算は米国(約1兆ドル)の約4分の1となる。26年の上積みは25年(7.2%)をやや下回り、21年(6.8%)以来の低水準だった。

習近平国家主席は35年までの軍近代化完成を目標に掲げ、軍は新たな先進ミサイル、艦船、潜水艦、監視⁠技術の開発を進めている。

李首相は政府活動報告で、習主席の指揮のもと戦闘能力を強化し「中国の主権・安全・発⁠展利益を守る戦略的能力を高める」とした。

中国軍部では汚職による幹部の処分が相次いでいる。

李氏は政府は「共産党の軍に対する『絶対的指導』の堅持に引き続きコミットしているとし、「軍の政治的忠誠を確保する原則に導かれ、軍の政治的規律を引き続き改善し、人民解放軍の建軍100年の目⁠標に向けて大きく前進する」と述べた。

国防予算の内訳は示されていない。国際戦略研究所(IISS)は先月の報告書で、アジ⁠ア全⁠体の軍事支出に占める中国の割合は、10年から20年の平均37%から、25年には約44%まで上昇したと指摘した。

<国際情勢、複雑かつ困難>

台湾について、李氏は「『台湾独立』を目指す分離主義勢力と断固として戦い、外部からの干渉に反対する」とし昨年と同様の見解を示した。「両岸関係の平和的発展を促進し、国家統一の事業を前進させる」と述⁠べた。

国際情勢については「複雑かつ困難」とし、ややトーンダウンさせた。昨年は「過去1世紀に見られなかった変化」で「ますます複雑かつ厳しさを増している」認識を示していた。

シンガポールのS・ラジャラトナム国際問題研究所のジェームズ・チャー研究員は、国防予算の伸び率について、中国が長年掲げてきた「経済成長と国防強化のバランス」という原則を維持していることを示すと指摘。「人民解放軍⁠の予算はGDP比で比較的一貫したペースで拡大してきた。おおむねGDP成長率とインフレ率を合わせた程度の伸びだ」と述べた。

台湾を拠点とする安保アナリストのソン・ウェンティ氏は、汚職摘発について「中国政府が軍事支出をより厳格に監視し続けることを示している」と指摘。同時に、政府のあらゆるレベルで倹約が進んでいることも明らかだと述べた。

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