最新記事

新型コロナウイルス

パンデミック宣言から1年、世界の何が変わったか

Four Surprising Ways COVID Changed the World a Year Into the Pandemic

2021年3月12日(金)18時00分
エド・ブラウン

ハーバード医学大学院ウイルス学およびワクチン開発センターのディレクターを務めるダン・バルーフは、医学誌ネイチャーにこう語った。「新型コロナウイルスのワクチン開発の経験は、世界規模の感染爆発が起こった場合に、十分なリソースさえあれば、迅速なワクチン開発が可能であることを示した。安全性について妥協をすることなく、開発プロセスを大幅に加速させることができる」

新型コロナウイルスのワクチン開発は確かにきわめて迅速に行われたが、そのための土台づくりは既に何年も前から行われていた。

科学者たちは、SARS(重症急性呼吸器症候群)やMERS(中東呼吸器症候群)など、その他のコロナウイルスについて研究を行っていたし、ファイザーやビオンテックが今回初めて実用化したmRNAワクチンの手法も、数年前から研究が行われていた。ネイチャー誌によれば、5年前だったらmRNAワクチンの技術はまだ不十分なものだったという。その後、技術が十分な進歩を遂げたのは幸運だった。

経済と仕事

米労働統計局によれば、2020年3月のアメリカの失業率(季節調整値)は4.4%だったが、4月までにはその3倍以上の14.7%に跳ね上がった。1週間の失業保険申請件数も大幅に増え、3月半ばには282件程度だった申請件数は、4月半ばまでには6867件に急増した。

世論調査機関ピュー・リサーチセンターが2020年10月13~19日にかけて、アメリカの成人5858人を対象に実施した調査によれば、「どこで働きたいか」に関する人々の考え方も大きく変わった。調査に回答した成人就業者の54%が、自分の仕事は在宅でも可能だと答え、パンデミックの収束後も在宅勤務を続けたいと回答した。

世界経済のかなりの部分がコロナ禍で打撃を受けたが――IMFの推定によれば2020年の世界経済の成長率は前年比でマイナス4.4%――全てのセクターが影響を受けた訳ではない。調査会社グランドビューリサーチが2020年10月に発表した報告書によれば、再利用可能なマスクの市場規模は、新型コロナウイルス感染症が大きな後押しとなって、2027年までに70億ドル超に達する見通しだ。また小売大手のアマゾンとウォルマートのパンデミック期間中の収益は、前年よりも107億ドル(56%)増加した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

英3月製造業PMI低下、中東紛争でコスト急上昇

ワールド

ドンバス撤退でロシア期限通告、ウクライナは「早く決

ビジネス

独主要経済研究所、26・27年成長予測を下方修正 

ワールド

アベノミクスは「かなりの成果」、利上げ方針の論評は
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
2026年4月 7日号(3/31発売)

国際基準の情報開示や多様な認証制度──本当の「持続可能性」が問われる時代へ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引、インサイダー疑惑が市場に波紋
  • 3
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イラン恐怖」の正体
  • 4
    中国がイラン戦争最大の被害者? 習近平の誤った経…
  • 5
    初の女性カンタベリー大主教が就任...ウィリアム皇太…
  • 6
    年金は何歳からもらうのが得? 男女で違う「最適な受…
  • 7
    北京に代わる新都市構想は絵に描いた餅のまま...大幅…
  • 8
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 9
    「え、なんで?」フライト中に操縦席の窓が覆われて…
  • 10
    韓国・週4.5日労働制が問いかけるもの ──「月曜病」解…
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 3
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 4
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 5
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 6
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 7
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 8
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 9
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終…
  • 10
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のS…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中