最新記事

新型コロナウイルス

新型コロナ関連の小児病MIS-Cで10歳の少年が両手と両脚を切断

Boy Has Arms, Legs Amputated After Developing COVID-Linked Condition MIS-C 

2021年2月24日(水)15時16分
アーティフ・スレイマン

子どもが新型コロナに感染したらMIS-Cにも要注意 Eric Gaillard-REUTERS

<この新たな病気にかかった子どもの99%は新型コロナに感染している。子どもや若者は新型コロナにかかっても無症状か重傷化しにくいと言われていたのは誤りだったのか?>

ミシガン州在住の10歳の少年が、両手と両脚の切断を余儀なくされた。原因は新種のまれな病気「小児多臓器炎症症候群=MIS-C」で、新型コロナウイルス感染症と関連していると考えている。

デシュン・ジャミソンという名のこの少年は、新型コロナウイルスの検査で陽性と判定されてから間もない2020年12月にMIS-Cと診断された。

そして今年1月15日に右脚を切断。さらに2月22日には左脚と両手を切断した。

MIS-Cは、小児や若者を襲う新たに発見された症候群で、アメリカ国内での症例報告は現時点で2060件とされている。この症候群により死亡したとされる事例は30件にのぼる。

この症候群についてはまだ専門家も多くを知らず、何がこの原因かもわかっていない。だが、これまでにMIS-Cと診断された患者の99%は新型コロナウイルスに感染しており、残りの1%は新型コロナウイルスの感染者と接触していた。

「小児多臓器炎症症候群(MIS-C)は、心臓、肺、腎臓、脳、皮膚、眼球、胃腸など、全身のさまざまな部位が炎症を起こすものだ」と、米疾病予防管理センター(CDC)は解説する。

症状には、発熱、腹痛、嘔吐、下痢、首の痛み、発疹、目の充血、倦怠感などが挙げられる。

子どもが症状を示した場合、保護者はただちに緊急診療を受ける手配をするよう推奨されている。注意すべき症状は、呼吸困難、しつこい胸の痛みや圧迫感、目が覚めない、もしくは起きていられない、腹部の激痛、意識障害の兆候、顔や唇が青白くなる、などだという。

1〜14歳が多いが20歳の例も

デシュンの母親ブリトニー・オートマンは、地元テレビ局KNWAの取材に対して、「息子が横になって転がり始めたのに気づいた。頭痛がすると言ったので病院に連れて行ったが、その前日と連れて行った当日は高い熱が出ていた」と語った。

オートマンは、支援サイト「ゴー・ファンドミー(GoFundMe)」のページを立ち上げ、息子への支援を呼びかけるとともに、この症候群についての認識を高めようとしている。

「手術は成功し、医師たちは息子の痛みを鎮めようと努めている。デシュンは自分の手足が切断されたことにとても動揺していて、その様子を見ていると心が痛む。これからもぜひ祈りを届けてほしい」と、オートマンはゴー・ファンドミーのページへの最新投稿で書いている。

MIS-Cの症例の大半は1歳から14歳の小児で発生しているが、最も年齢が高い事例では20歳の若者が発症したケースもある。

「新型コロナウイルス感染拡大の初期には、子どもや若者は成人と比較して感染や重症化の可能性が低いように見えた。さらに、感染しても無症状か軽症で済むケースが多いと考えられていた」とCDCは述べ、次のように続けている。

「だが、流行が拡大する中で、子どもや若者の感染例が増加した。こうした症例の増加が、今後MIS-Cの症例の増加につながるのか、今はまだ何とも言えない」

(翻訳:ガリレオ)

ニューズウィーク日本版 総力特集:ベネズエラ攻撃
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年1月20号(1月14日発売)は「総力特集:ベネズエラ攻撃」特集。深夜の精密攻撃で反撃を無力化しマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ大統領の本当の狙いは?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米経済活動、8地区で拡大 物価上昇は緩やか=地区連

ビジネス

米経済「堅調な成長続く」、インフレは鈍化へ=ミネア

ビジネス

FRB、引き締めスタンス維持必要 インフレ克服まだ

ビジネス

米ウェルズ・ファーゴの10─12月期、純利益6%増
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
2026年1月20日号(1/14発売)

深夜の精密攻撃でマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ米大統領の本当の狙いは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率が低い」のはどこ?
  • 2
    「高額すぎる...」ポケモンとレゴのコラボ商品に広がる波紋、その「衝撃の価格」とは?
  • 3
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救った...実際の写真を公開、「親の直感を信じて」
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    飛行機内で「マナー最悪」の乗客を撮影...SNS投稿が…
  • 6
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 7
    鉛筆やフォークを持てない、1人でトイレにも行けない…
  • 8
    宇宙に満ちる謎の物質、ダークマター...その正体のカ…
  • 9
    年始早々軍事介入を行ったトランプ...強硬な外交で支…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 5
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 6
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 9
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救っ…
  • 10
    「高額すぎる...」ポケモンとレゴのコラボ商品に広が…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 4
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 5
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 6
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 7
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 9
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中