最新記事

新型コロナウイルス

全身が炎症を起こす新型コロナ関連の小児病MIS-Cで米初の死亡例

COVID-linked Illness MIS-C Kills First Child in L.A. County, More Cases Likely

2020年12月11日(金)13時30分
ジェイソン・マードック

一般的には子供は新型コロナに感染しても重症化しにくいと言われているが(写真はタイでマスクをする子供たち) Athit Perawongmetha-REUTERS

<さまざまな臓器に炎症が広がるこの病気は、アメリカではなぜかラティーノと黒人の子供に多く症例が出ている>

今週ロサンゼルスで、新型コロナウイルスの関連症状「小児多臓器炎症候群=MIS-C (Multisystem Inflammatory Syndrome in Children)」によって1人が死亡したことを、カリフォルニア州の保健当局が明らかにした。

この患者は、ロサンゼルス子供病院で治療を受けていたが、MIS-Cの合併症によって死亡した。患者には「複雑な、心臓病の持病があった」と病院の広報は説明している。

地元紙ロサンゼルス・タイムズによると、これが新型コロナに関連するアメリカ初の子供の死亡例と見られている。病院の広報は、患者のプライバシー保護のため、これ以上の詳細な情報は公表できないと述べている。

MIS-Cの原因はまだ医学研究者でもわかっていないが、新型コロナに感染したか、または感染者と接触した子供が発症している。

米疾病予防管理センター(CDC)には全米で1288件の症例が報告され、心臓、肺、腎臓、脳、皮膚、眼球、胃腸など全身の様々な部位が炎症を起こす。

腹痛、発疹、嘔吐など多様な症状

ロサンゼルス子供病院の小児心臓科医ジャッキー・スマスコビズは、ロサンゼルス・タイムズの取材に対してMIS-Cの患者は今後も出るだろうと話している。「現在の患者数から判断して、今後数週間でさらに患者の子供が増えると予想される。我々は危機に直面している」。

地元テレビによると、この病院ではこれまでに生後4カ月から17歳までのMIS-C患者32人を治療した。このうち31人は「治療に成功して退院した」という。

CDCによると、MIS-Cの患者は腹痛、目の充血、首の痛み、発疹、疲労感、嘔吐、下痢など多様な症状を示している。ほとんど症例が1歳から14歳までの子供の患者で、平均年齢は8歳。さらに症例の75%がラティーノ(460例)か黒人(410例)だった。

また症例の99%は新型コロナウイルスに感染していた。残りの1%も、周囲に感染者がいた。ほとんどの子供が感染から2〜4週間でMIS-Cを発症していた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

世界秩序は変化「断絶ではない」、ECB総裁が加首相

ビジネス

シティ、3月も人員削減へ 1月の1000人削減後=

ビジネス

ユーロ圏総合PMI、1月速報値51.5で横ばい 価

ビジネス

グリーン英中銀委員、インフレ圧力や賃金上昇指標を依
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:「外国人問題」徹底研究
特集:「外国人問題」徹底研究
2026年1月27日号(1/20発売)

日本の「外国人問題」は事実か錯誤か? 7つの争点を国際比較で大激論

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 2
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 3
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレアアース規制で資金が流れ込む3社とは?
  • 4
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味…
  • 5
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 6
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 7
    老化の9割は自分で防げる...糖質と結び付く老化物質…
  • 8
    韓国が「モンスター」ミサイルを実戦配備 北朝鮮の…
  • 9
    40代からは「積立の考え方」を変えるべき理由──資産…
  • 10
    コンビニで働く外国人は「超優秀」...他国と比べて優…
  • 1
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 2
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 3
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の船が明かす、古代の人々の「超技術」
  • 4
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 5
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 6
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 7
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 8
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 9
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味…
  • 10
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中