最新記事

新型コロナウイルス

息切れ、倦怠感......イギリスで1日4000人以上が新たにコロナ後遺症に

Over 4,000 New Cases of 'Long COVID' a Day in U.K., Politician Warns

2021年1月15日(金)14時30分
バシト・マフムード

感染拡大が止まらない一方で回復後の患者の後遺症も大きな問題になっている Hannah Mckay-REUTERS

<感染当初の症状の程度とは関係なく、長期の後遺症になる可能性がある>

新型コロナウイルスの症状が長期間続く後遺症について、イギリス国内で1日あたり新たに4000人以上が後遺症になっているというデータを下院議員が明らかにした。

英自由民主党のレイラ・モラン下院議員は「イギリスでは30万人、全世界では700万人が新型コロナの後遺症に苦しんでいると見られる。医学雑誌ランセットの新たな研究によると、入院患者の半分以上が半年後以降も継続して症状を示している。また英国家統計局の推計によると、全ての感染者の1割以上が3カ月後以降も症状を示している」と話している。

新型コロナの後遺症は、感染当初の症状が改善した後も数週間、数カ月に渡って症状が続く状態を指す。英国民保健サービス(NHS)によると、多くの患者が感染から数日や数週間で症状が改善し、ほとんどの患者が約3カ月で全快しているものの、「それ以上に症状が続くケースがある」という。

NHSは「後遺症が残る確率は、最初に感染した時の症状の程度とは関係ないと見られる。最初の症状が軽くても後遺症になる可能性がある」としている。

後遺症の症状はさまざま

後遺症の主な症状は、疲労・倦怠感、息切れ、胸痛・胸部圧迫感、記憶力・集中力の低下、睡眠障害、動悸、めまい、関節痛、うつ・不安感、吐き気、下痢、胃痛・食欲減退など。

モランは英政府に対して、新型コロナ後遺症の症例を詳しく調査し、介護従事者、福祉事業者への影響についても確認するよう求めた。

イギリスの医療関係者はこれまでも、新型コロナの入院患者については6週間後に後遺症を調べるフォローアップを実施するべきだと主張してきた。

ランセットは、後遺症への「懸念が増大している」としている。

さらに「イギリスでは、1月10日時点で300万人の新型コロナ患者がいるが、検査体制の拡大に伴い後遺症の報告数も増加している。国家統計局が2020年11月に実施した調査では、陽性患者の5人に1人が5週間以上の症状を、10人に1人が12週間以上の症状を示している。推計で18万6000人が5〜12週続く後遺症に苦しんでいる」という。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ゼレンスキー氏、10日に有志連合首脳会議を主催 仏

ワールド

中国商務相、ロシア経済発展相と会談 経済・貿易を巡

ワールド

ブラジル大統領、トランプ関税を非難 プーチン氏との

ワールド

米中、一時的関税停止の可能性 週末の高官協議=スイ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 2
    SNSにはトップレス姿も...ヘイリー・ビーバー、ノーパンツルックで美脚解放も「普段着」「手抜き」と酷評
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    教皇選挙(コンクラーベ)で注目...「漁師の指輪」と…
  • 5
    恥ずかしい失敗...「とんでもない服の着方」で外出し…
  • 6
    骨は本物かニセモノか?...探検家コロンブスの「遺骨…
  • 7
    「金ぴか時代」の王を目指すトランプの下、ホワイト…
  • 8
    ついに発見! シルクロードを結んだ「天空の都市」..…
  • 9
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
  • 10
    中高年になったら2種類の趣味を持っておこう...経営…
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 4
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 7
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 8
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 9
    野球ボールより大きい...中国の病院を訪れた女性、「…
  • 10
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中