最新記事

事件

トランプ支持者が議会占拠、1人死亡 バイデン「反乱」と非難

2021年1月7日(木)09時57分

トランプ米大統領は6日、ワシントンの集会で演説し、昨年11月の大統領選の敗北を決して認めないと言明した(2021年 ロイター/JIM BOURG)

昨年11月の米大統領選の選挙人投票集計を行う連邦議会で6日、議事堂周辺に集まったトランプ大統領支持者の一部が、警備を破り建物内に侵入した。これを受けて議事堂は閉鎖され、上下両院合同本会議の討議も中断された。

ワシントンの警察当局によると、銃で撃たれた女性1人のほか3人が死亡した。逮捕者も52人に上った。逮捕者52人のうち47人は午後6時に出された夜間外出禁止令の違反、また26人は米議会で逮捕された。このほか銃火器所持でも逮捕者がでているという。

警察によると、共和党と民主党本部ではパイプ爆弾2発を、議会の敷地の車からは火炎瓶を発見した。

議会警察で撃たれて死亡した以外の3人は、医療救急対応のなか死亡したとしている。警官も14人負傷し、2人が病院で手当てを受けている。

この混乱を受け、上下両院の議員は避難。議事進行役を務めるペンス副大統領も上院を退出した。警察は侵入者に対し催涙弾を使用した。首都ワシントンの警察当局によると、侵入者らは化学刺激物質を使って警備の警官隊を攻撃、複数の警官が負傷した。

警察は騒動発生から3時間以上経った午後5時半(2230GMT、日本時間7日午前7時半)すぎ、議事堂の安全を確保したと宣言した。

その後、上下両院合同本会議は、バイデン氏の次期大統領認定に関する審議を再開。トランプ派の議員が申し立てた異議について議論を進めているが、異議が認められる可能性は低い。

異議を申し立てる意向を示していた議員の一部も、複数の州ではなく1つの州の選挙結果にのみに異議を唱える方針に転換するなど、態度を軟化させている。

ジョージア州の決選投票で敗北した共和党のロフラー上院議員は、バイデン氏の次期大統領認定に異議を唱える予定だったが、トランプ支持者の議会占拠を受けて方針を転換したと発言。「良心に照らして選挙結果に異議を唱えられなくなった」と述べた。

バイデン次期大統領は、議事堂への襲撃や窓の破壊、議会の占拠といった行為は「抗議ではなく反乱だ」とテレビ演説で非難。「暴徒らが退き、民主主義の手続きが進行するよう求める」とした上で、トランプ氏に支持者に対して包囲行動を解くよう要請することを求めた。

こうした中、トランプ氏はツイッターに投稿した動画で、支持者らに自制を呼び掛けた。選挙が盗まれたとの根拠のない主張を繰り返した上で「あなたたちは自宅に戻らなければならない。われわれには平和が必要だ。法と秩序がなければならない」とした。

混乱の発生を受け、首都ワシントンの市長はこの日午後6時から翌日午前6時までの外出禁止令を発動した。

これに先立ちトランプ大統領は、ワシントンの集会で演説し、昨年11月の大統領選の敗北を決して認めないと言明。支持者に対し、選挙では大規模な不正があったと改めて主張し「われわれは決して諦めない。決して敗北は認めない」「盗みをやめさせる」と訴えた。

集会には、上下両院合同本会議で同日行われるバイデン氏の次期大統領認定に抗議するトランプ大統領の支持者数千人が集まり、トランプ大統領に声援を送った。抗議には過激派グループや極右グループのメンバーも参加した。

CNNによると、首都ワシントンの州兵全体が配備された。バージニア州のノーサム知事は要請を受け、州兵を首都に派遣すると表明した。

上院共和党トップのマコネル院内総務は、上下両院合同本会議の冒頭で、昨年11月の米大統領選でのバイデン前副大統領の勝利に疑念を示した共和党議員について、米国を損ねる行動として非難。「われわれが投票結果を覆せば、米国は永遠にダメージを受ける」と述べた。

*内容を追加しました。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・1月20日、トランプは「自分の大統領就任式」に出る?
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体


ニューズウィーク日本版 高市vs中国
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年1月27号(1月20日発売)は「高市vs中国」特集。台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国の香港経由の金輸入、12月は前月比24%減 価

ビジネス

欧州自動車販売、12月7.6%増 EVが初めてガソ

ビジネス

米国管理下のベネズエラ産原油、ペトロチャイナが取引

ビジネス

中国、カナダ産キャノーラ大量手当 カーニー氏訪中受
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 2
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化はなぜ不可逆なのか
  • 3
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに...宇宙船で一体何が?
  • 4
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 5
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 6
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 7
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 8
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰…
  • 9
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 10
    「外国人価格」で日本社会が失うもの──インバウンド…
  • 1
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 2
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 3
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 4
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味…
  • 5
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 6
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 7
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 8
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 9
    40代からは「積立の考え方」を変えるべき理由──資産…
  • 10
    麻薬中毒が「アメリカ文化」...グリーンランド人が投…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 5
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 6
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 10
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中