最新記事

SNS

イギリスで今年の流行語に選ばれた「モッパン」って? コロナの巣ごもり生活で注目のコンテンツとは

2020年12月16日(水)19時55分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネイター)

『愛の不時着』やBTS以外にも世界で注目された韓国発のカルチャーが話題に。Ranta Images - iStockphoto

<今日は「モッパン」で「ギョプる!」 日本でもイギリスでもなぜか韓国の食関連のワードが流行語に>

今年も年末恒例の日本流行語大賞が発表され注目を集めた。誰もが予想したように、2020年は「コロナ関係」一色になると思われたが、なんと韓国発祥の流行語が2つもノミネートされたことも話題となった。

『愛の不時着』は、Netflixで配信され爆発的人気を博したドラマであり、コロナによる巣ごもり生活が後押しして大ヒット、流行語大賞トップ10入りを果たした。

そしてもう1つの流行語「NiziU」は、韓国のプロデューサーJYPが手掛ける日本人アイドルグループだ。12月2日に正式デビューとなったが、それに先立ち紅白歌合戦出場が決定。新人がデビュー1カ月以内での紅白出場は史上最速ということで大きな話題を呼んだ。

ほかにも、今年大流行した韓国関係のワードと言えば、自粛生活の暇つぶしから誕生した「ダルゴナコーヒー」。韓国の豚焼肉料理サムギョプサルを食べる意味の「ギョプる」。TikTokからバスって広まった、なんでも韓国語っぽくしてしまう語尾「〜ニダ」。このように若者を中心に多くの韓国系流行語が誕生した。

イギリスで流行語に選ばれた「モッパン」

このように、日韓関係は冷え込んでいると言われているものの、韓国文化や韓国語はすっかり日本で馴染みが深くなっている。そして、この現象は、日本だけではない。K-POPや韓国ドラマ/映画が世界中に広まると同時に、韓国語も翻訳されずそのままの発音で世界へ浸透しつつある。

先月10日、イギリスのCollins English Dictionaryが選ぶ今年の流行語大賞が発表された。1位は予想通りコロナ関連で「ロックダウンlockdown」だった。他にも「ソーシャルディスタンスsocial distancing」「コロナウィルスcoronavirus」などの単語が並ぶなか、トップ10になんと韓国語の「モッパンmukbang」がランクインして話題となった。BBCニュースでは、「モッパンはすでにテクォンドと並ぶメジャーな単語だ」と報道している。

料理名や人名、スポーツなどの名称が、そのまま自国の発音で海外に定着することはよく目にするが、この話題の単語「モッパン」とは一体何なのかご存じだろうか?

モッパン(먹방)は、「먹는(食べる)방송(放送)」を略した造語である。2009年ごろ韓国の動画配信を中心にこの単語が使われだし、2010年後半には世界中に広まった。2016年10月にはCNNが「新しいsocial eatingの形」とモッパンを紹介し、その後欧米でも徐々に浸透していった。

動画の内容は、配信者がカメラの前で美味しそうに食事をする姿を放送したものであり、ユーチューブや、韓国で人気のアフリカTVなどの動画配信サイトで多く見られる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ユーロ相場が安定し経済に悪影響与えないよう望む=E

ビジネス

米製薬メルク、肺疾患治療薬の英ベローナを買収 10

ワールド

トランプ氏のモスクワ爆撃発言報道、ロシア大統領府「

ワールド

ロシアが無人機728機でウクライナ攻撃、米の兵器追
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 2
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 3
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、「強いドルは終わった」
  • 4
    「ヒラリーに似すぎ」なトランプ像...ディズニー・ワ…
  • 5
    犯罪者に狙われる家の「共通点」とは? 広域強盗事…
  • 6
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 7
    名古屋が中国からのフェンタニル密輸の中継拠点に?…
  • 8
    自由都市・香港から抗議の声が消えた...入港した中国…
  • 9
    人種から体型、言語まで...実は『ハリー・ポッター』…
  • 10
    「けしからん」の応酬が参政党躍進の主因に? 既成…
  • 1
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 2
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコに1400万人が注目
  • 3
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸せ映像に「それどころじゃない光景」が映り込んでしまう
  • 4
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、…
  • 5
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 6
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 7
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 8
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 9
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 10
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 4
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 7
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中