最新記事

歴史問題

韓国ネット民、旭日旗めぐりなぜかフィリピンと対立し大炎上に

2020年9月28日(月)19時15分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネイター)

K-POPや韓流ドラマが人気の国

騒動から1週間が経ったころ、ようやく韓国側から'#SorryToFilipinos (フィリピンの方々ごめんなさい)ハッシュタグが増え始め、現在やっと落ち着きを取り戻している状態だ。

フィリピンでは、日本同様K-POPやKドラマ(韓流ドラマ)の人気が高い。フィリピン国立大学では、今学期から「Kドラマシリーズ分析」という授業科目が登場し話題となっている。

在フィリピン韓国文化院の発表によると、この授業定員20名に対し200名もの学生が受講を希望しているという。そこで大学側は、苦肉の策として授業で教材として使うドラマ『愛の不時着』や『ミセン-未生-』などが見られるよう、「ネットフリックス加入者であること」などの申請条件を追加で付け足したという。さらに、チームを3つに分けることによって60名までなんとか定員数を増やして対応していくそうだ。

K-POPのツイートでも世界のトップ5に

Kpopに関する会話量の多さランキングでフィリピンは、タイ、韓国、インドネシアに続いて世界第4位だった。
 

また、ツイッター社は、世界中でつぶやかれたKpopデータを分析した「KpopTwitter2020ワールドマップ」を公表しているが、これによると昨年7月1日から今年の6月30日までにKpopについてツイートした利用者数ランキングで、フィリピンはアメリカ、日本、韓国、インドネシアに続き世界第5位だった。国の人口から考えると、この順位はとても高いと言えるだろう。また、Kpopに関する会話量の多さランキングでも、タイ、韓国、インドネシアに続いて世界第4位だった。

このように、フィリピン人はKカルチャーを通し、韓国に対する好感度が上がっていただけに、今回のような対立はとても残念だ。これほど人気のある国にもかかわらず、たった1つのタトゥーで憎しみが憎しみを生み、ネット戦争に発展してしまった。

旭日旗に関してここで良し悪しをここで論じるつもりはないが、筆者の住んでいるここ、アメリカでもポスターやタトゥーでそれらしき赤と白の放射線模様を見かけることがある。

もしも韓国人がそれに反感を持っているならば、「無知だ」「貧しい国だ」と誹謗中傷を書き込み、国旗を燃やすよりも前に、まず説明し訴えを理解してもらうよう努めるのが解決の第一歩となるのではないだろうか。


【話題の記事】
・ロシア開発のコロナワクチン「スプートニクV」、ウイルスの有害な変異促す危険性
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・パンデミック後には大規模な騒乱が起こる
・日本がついに動く実物大のガンダムを建造、ファンに動画が拡散

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

台湾、日本産食品の輸入規制を全て撤廃

ワールド

英政府借入額、4─10月はコロナ禍除き最高 財政赤

ビジネス

ユーロ圏総合PMI、11月速報値は52.4 堅調さ

ビジネス

英総合PMI、11月速報値は50.5に低下 予算案
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 4
    中国の新空母「福建」の力は如何ほどか? 空母3隻体…
  • 5
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 6
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    アメリカの雇用低迷と景気の関係が変化した可能性
  • 9
    幻の古代都市「7つの峡谷の町」...草原の遺跡から見…
  • 10
    EUがロシアの凍結資産を使わない理由――ウクライナ勝…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中