最新記事

パンデミック

菅義偉新内閣は安倍政権を踏襲 主要閣僚は軒並み再任

2020年9月16日(水)18時11分

自民党の菅義偉総裁(写真)が午後、衆参両議院で第99代首相に選出された。写真は都内で撮影(2020年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

自民党の菅義偉総裁が16日午後、衆参両議院で第99代首相に選出された。官房長官として支えた安倍晋三内閣の政策を踏襲、財務相や外相など主要閣僚を再任した。規制緩和や社会・経済のデジタル化、地方経済の活性化にも力を入れる見通しだ。

「まさしく継承内閣」

自身の後任となる官房長官には加藤勝信厚生労働相を充てた。麻生太郎副総理兼財務相、西村康稔経済再生・経済財政担当相、梶山弘志経済産業相、茂木敏充外相ら主要閣僚を軒並み再任したほか、河野太郎防衛相を行政改革・規制改革担当相に、武田良太国家公安委員長を総務相に横滑りさせた。安倍首相の実弟の岸信夫元外務副大臣を防衛相に起用した。

このあと皇居での任命式などを経て新内閣が発足する。菅氏は午後9時から記者会見を行う。

菅氏は7年8カ月の長期政権となった第2次安倍政権からバトンを引き継ぐ。新型コロナウイルス対策、経済政策、外交で安倍氏のやり方をおおむね踏襲するとみられる。自民党総裁に選ばれた14日、「安倍首相の取り組みを継承し、進めていかないといけない。私にはその使命がある」と語った。

さらに菅氏は、官房長官時代に取り組んだ縦割り行政の改革を進め、各省庁から人材を集めてデジタル庁を設置することを公言している。携帯電話料金の値下げ、地方経済の活性化などに注力することも強調している。

東京を拠点に日本の政治や経済を長く見てきた運用会社ウィズダムツリー・ジャパンのイェスパー・コールCEO(最高経営責任者)は、「まさしく(安倍政権の)継承内閣」と指摘。「実行性はあるが、刺激は感じられない」と話す。

「解散はいつあっても」

菅氏は午後に行われた衆議院の首相指名選挙で、投票総数462票のうち314票を獲得した。立憲民主党の枝野幸男代表は134票だった。参議院では240票のうち菅氏が142票、枝野氏が78票だった。

自民党総裁選でいち早く菅氏支持に回った二階俊博幹事長はNHKの取材に対し、「責任を持って新首相を盛り上げていきたい」と発言。解散は首相の専権事項とした上で、「党はいつあっても対応できるよう準備を整えている」と述べた。

一方、最大野党である立憲民主党の福山哲郎幹事長は「どういう政権を作りたいか(国民に)呼びかけていただきたい」と要望。「コロナ対策や経済の厳しさについて、前政権の施策をどう転換していくか、機能しなかったことを総括し、国民に語り掛けていただきたい。(立憲民主党としては)早期に代表質問や予算委員会などで論戦を挑んでいきたい」と語った。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・自民党総裁選に決定的に欠けているもの
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・菅義偉、原点は秋田県湯沢のいちごの集落 高齢化する地方の縮図
・ビルボードHOT100首位獲得したBTS、韓国政府は兵役免除させるのか


20200922issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

9月22日号(9月15日発売)は「誤解だらけの米中新冷戦」特集。「金持ち」中国との対立はソ連との冷戦とは違う。米中関係史で読み解く新冷戦の本質。

ニュース速報

ワールド

安倍前首相が靖国参拝、「退任を報告」とツイッターに

ワールド

アングル:豪州ビザ無効の中国人研究者、「絵文字で有

ワールド

焦点:湾岸2カ国とイスラエルの国交正常化、サウジも

ワールド

アングル:燃料需要、学校再開で増加 公共交通機関は

MAGAZINE

特集:誤解だらけの米中新冷戦

2020-9・22号(9/15発売)

「金持ち」中国との対立はソ連との冷戦とは違う── 米中関係史で読み解く新冷戦の本質

人気ランキング

  • 1

    安倍首相の辞任で分かった、人間に優しくない国ニッポン

  • 2

    権威なき少数民族にはここまで残酷になれる、中国の「特色ある」民族差別

  • 3

    拡張主義・中国の「武力」を4カ国連携で封じ込めよ

  • 4

    過去6600万年の地球の気候の変遷が初めてまとめられる

  • 5

    ペンスの元部下が怒りの内部告発「トランプはアメリ…

  • 6

    2万年以上前のホラアナグマ、ほぼ完全な状態で発見さ…

  • 7

    ロシアの毒殺未遂にメルケルが強気を貫けない理由

  • 8

    トランプお墨付きの「Qアノン」が笑い事では済まされ…

  • 9

    「年収1000万超え」カリスマタクシー運転手の仕事術 …

  • 10

    金正恩が「飲み会で政策批判」のエリート経済官僚5人…

  • 1

    反日デモへつながった尖閣沖事件から10年 「特攻漁船」船長の意外すぎる末路

  • 2

    水にひそむ「脳を食べるアメーバ」で少年が死亡

  • 3

    「ワクチンは安全」という信頼、日本は世界最低レベルだった

  • 4

    韓国の世代間格差と若者の怒り

  • 5

    【動画】タランチュラが鳥を頭から食べる衝撃映像と…

  • 6

    仏シトロエン、14歳から免許不要で乗れる2人乗りEV「…

  • 7

    【動画】海辺を歩く2頭のライオンに視聴950万回

  • 8

    EUミシェル大統領「中国に利用されず」 首脳会談、習…

  • 9

    中国からの「謎の種」、播いたら生えてきたのは.....…

  • 10

    伝説のジャーナリストのトランプ本『怒り』に同業者…

  • 1

    中国・三峡ダムに過去最大の水量流入、いまダムはどうなっている?

  • 2

    【動画】タランチュラが鳥を頭から食べる衝撃映像とメカニズム

  • 3

    反日デモへつながった尖閣沖事件から10年 「特攻漁船」船長の意外すぎる末路

  • 4

    1件40円、すべて「自己責任」のメーター検針員をク…

  • 5

    手に乗る大きさのゾウの仲間、約50年ぶりにアフリカ…

  • 6

    中国の三峡ダム、豪雨で危険水位20メートル上回る 設…

  • 7

    撃墜されたウクライナ機、被弾後も操縦士は「19秒間…

  • 8

    中国はなぜ尖閣での漁を禁止したのか

  • 9

    米中新冷戦でアメリカに勝ち目はない

  • 10

    アラスカ漁船がロシア艦隊と鉢合わせ、米軍機がロシ…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

英会話特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
CCCメディアハウス求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
Wonderful Story
メールマガジン登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら
World Voice

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2020年9月
  • 2020年8月
  • 2020年7月
  • 2020年6月
  • 2020年5月
  • 2020年4月