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事件ロシア野党指導者ナワリヌイが盛られたのは神経剤ノビチョク 独政府「疑いのない証拠を得た」
ドイツ政府のザイベルト報道官は2日、同国で治療中のロシア反体制派アレクセイ・ナワリヌイ氏(写真)について、同氏に対し神経剤「ノビチョク」が使用された「疑いのない証拠」が得られたと明らかにした。モスクワで2月撮影(2020年 ロイター/Shamil Zhumatov)
ドイツ政府は2日、同国で治療中のロシア反体制派アレクセイ・ナワリヌイ氏(44)について、同氏に対し神経剤「ノビチョク」が使用された「疑いのない証拠」が得られたと明らかにした。
ザイベルト報道官は、ドイツの軍研究所で実施されたナワリヌイ氏の血液サンプルの検査でノビチョク使用の証拠が得られたとし、「ドイツ政府は欧州連合(EU)加盟国のほか、北大西洋条約機構(NATO)加盟国にこの結果を報告する」と表明。「ナワリヌイ氏がロシア国内で神経剤による攻撃の被害者になったことに衝撃を覚える。ドイツ政府はこの事件を強く非難する」とした。
メルケル首相は「ロシアの有力な反体制派指導者を狙った毒殺未遂に関する情報に動揺している」とした上で、「ナワリヌイ氏はノビチョク系の化学神経剤による攻撃の犠牲となった。この毒物は検査で明確に特定できる」と述べた。
ノビチョクは1970ー80年代に旧ソ連軍が開発した神経剤で、コリンエステラーゼ阻害剤の一種。18年に英国で起きたロシア元情報機関幹部と娘の襲撃事件でも使われた。
ナワリヌイ氏が入院中のベルリンのシャリテ病院はこれまでに、「コリンエステラーゼ阻害剤と呼ばれる一群の活性物質に属する物質による中毒が示唆された」と発表していた。
ロシア外務省は2日、ナワリヌイ氏がノビチョク系の毒物を盛られたとするドイツ政府の主張には根拠がなく、ドイツがナワリヌイ氏に関する情報を公開したことは遺憾だと表明した。
ナワリヌイ氏の支持者は、ドイツ政府の発表について、攻撃の背後にロシア政府がいたことを示していると指摘。同氏の側近、レオニド・ボルコフ氏は、ノビチョクが使用されたことはプーチン大統領が関与していたことを如実に示していると述べた。
ロシア大統領府は関与を完全に否定している。
ドイツ政府の発表を受け、ロシア通貨ルーブルは下落。対ドルで2.7%安の1ドル=75.55ルーブルとなったほか、対ユーロでは約2%安の1ユーロ=89.39ルーブルを付けた。
疑問の余地なし
米国家安全保障会議(NSC)は2日、ツイッターで、ナワリヌイ氏に対するノビチョクを用いた攻撃は「非難に値する」と表明。ロシアは過去にもノビチョクを使用しており、米国は同盟国や国際社会と連携して責任を追及し、悪質な活動に流れる資金を制限すると述べた。ある米政府関係者は、ドイツ政府の見解に疑いを挟む余地はないと語った。
EUもナワリヌイ氏に対する毒物攻撃を「最大限」に非難するとし、ロシアに対して暗殺未遂事件を徹底的に調査し、責任者を法の裁きにかけるよう要求した。
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