最新記事

2020米大統領選

カニエ・ウエスト、迷走する大統領選出馬の真相

What's Happening With Kanye West's 2020 Presidential Run?

2020年7月16日(木)14時50分
アレクサンドラ・ハッツラー

妻のキム・カーダシアン・ウェスト(左)ら家族は何も語らず Danny Moloshok-REUTERS

<立候補取り止めと思ったら、連邦選挙管理委員会にウェストの選挙運動組織を届け出る書類が提出されたことが判明>

11月の米大統領選への立候補を表明していた人気ラッパーのカニエ・ウェスト(43)について、アメリカのメディアは7月14日、彼が立候補を取りやめたと報じたが、その後、ウェストが立候補に向けて正式に動いているらしいことが明らかになった。

連邦選挙管理委員会(FEC)に15日、「カニエ2020」を選挙運動組織として届け出る書類が提出された。書類によれば、「カニエ2020」はBDY党(おそらくウェストが立ち上げると言っていた「バースデー・パーティー」の略だろう)から立候補するウェストのために選挙運動を展開する組織で、アンドレ・ボディフォードという人物が陣営の会計担当を務めるという。

FECは、現時点で届出書類が正当なものかどうか確認できておらず、また「候補者届」の書類もまだ提出されていないとしている。候補者届は、ウェストが立候補に関連して5000ドル以上の寄付を受領するか支出を行い、連邦選挙資金法の下で「候補者」と見なされる条件を満たしたことを示すものだ。「そうした書類の届け出は確認していない」と、FECのクリスチャン・ヒランド副広報官は語った。

本誌は届出書類に記されているボディフォードのメールアドレスに連絡し、コメントを求めたが、現時点で返信はない。ウェストの広報担当であるトレビアン・クッティにもコメントを求めたが、こちらも返信はなかった。

選挙スタッフは「やめた」と言うが

14日にはウェストの選挙アドバイザーがニューヨーク誌に対して、ウェストが立候補を取りやめたと言っており、FECに提出された書類がどのような意味を持つのかは不明だ。

ウェストが雇った選挙スタッフの一人とされているスティーブ・クレイマーは、7月9日の時点でニューヨーク誌に対して、選挙チームは「週末にかけて」フロリダをはじめとする複数の州で、ウェストの立候補に向けて動いていると説明。ウェストの立候補は「絶大な支持を」得ていると主張していたが、その後、ウェストが「(立候補を)やめた」と語った。

ところが15日夜には、ウェストがオクラホマ州で立候補届を出したことが判明。ジャーナリストのベン・ジェイコブスのツイートによれば、同州選挙管理委員会の広報担当者が、ウェストの代理人のひとりが締め切り45分前に立候補届を提出したことを認めたという。

ウェストは7月4日、ツイッターに「神を信じ、我々のビジョンをひとつにして未来を築いていくことで、アメリカの約束を実現させなければならない。俺は合衆国大統領に立候補する!#2020VISION」と投稿。大統領選への立候補を宣言していた。

<参考記事>カニエ・ウエスト「もうトランプを支持せず」 大統領選勝利目指す
<参考記事>自撮りヌードでイランを挑発するキム・カーダシアン

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、エヌビディアAI半導体の中国販売認可を

ワールド

習氏、台湾問題で立場明確に トランプ氏と電話会談=

ビジネス

EU、AIの波乗り遅れで将来にリスク ECB総裁が

ワールド

英文化相、テレグラフの早期売却目指す デイリー・メ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後悔しない人生後半のマネープラン
  • 4
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    「イラつく」「飛び降りたくなる」遅延する飛行機、…
  • 10
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 3
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中