最新記事

ビジネススキル

「マルチタスク」など存在しない、効率がいいのは一つのタスクに集中する「ワンタスク」

2020年6月11日(木)13時40分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

1つの事柄に集中して着実に処理する、それを繰り返すことで成果を上げることができる fizkes/iStock.

<そもそも同時並行で複数のタスクを処理しようとするから仕事が終わらない>

新型コロナウイルスの感染予防策としてリモートワークが推奨される今、在宅勤務でむしろ仕事量が増えている人もいるかもしれない。「今日も仕事が終わらなかった」「やってもやっても、次々にやるべきことが増えていく」――そんな思いで、一日を終える人も少なくないだろう。

仕事と言っても、会議、打合せ、資料作成、メール返信、事務処理など、数えきれないタスクがあるため、それは当然とも言える。時間を割いて処理しているが、どのタスクもなかなか終わらず、終わったとしても満足な結果が出ない......。

そこで、飛びつくのが「マルチタスク」。同時並行で複数のタスクを処理する「マルチタスク」で日々のタスクをこなすのが、優れたビジネスパーソンだと思ってしまう。

しかし、そこで無理が生じる。たとえば、電話などで話をしながら、無関係のメールや書類に目を通したとき、電話の内容も、メール(書類)の内容も、しっかり頭に入っているだろうか。意識が散漫になることで、結果、どちらの内容も頭に入らない。仕事が進まない、といった状況に陥りがちではないだろうか。

マルチタスクは幻想であり、そんなものは存在しない――そう断言するのは、碓井孝介氏。5つの仕事に携わり、司法書士や監査業務、講演、経営など、多様な能力が求められる仕事を同時並行で進め、成果を挙げているという。

その経験と実践から碓井が提唱するのは、まず、タスク処理の発想と方法を変えること。複数のタスクを同時並行でこなすのではなく、一つの事柄に集中して着実に処理をする。それを繰り返すことで「確実な成果」を必ず手にすることができるうえ、効率よく仕事を進めることも可能になる。

このたび碓井氏はその「一点集中」で仕事を進めるコツとスキルを『図解でわかる 一点集中のすごいコツ――最強の時短仕事術』(CCCメディアハウス)で公開。ここではその一部を抜粋し、3回に分けて掲載する。

*抜粋第2回:「最強の時短仕事術」で、毎朝やるべき1つのこと
*抜粋第3回:仕事への集中を邪魔するスマホは大敵、ではどうすればいい?

◇ ◇ ◇


Task Rule 4 「ワンタスク戦略」を自分のものにする

◆一つのタスクに集中するために
本書を読んで、ぜひとも一つのタスクに集中し、結果につながる成果を出してほしい、そう思います。

そのためには、必要なことが2点あります。本書を読み進める際は、この2点を頭に入れて読み進めてください。

一つ目。本書で紹介する「一つのタスクに集中するための工夫」を、日々のタスク処理に「ルーティン化・定番化」して用いることです。

二つ目。一つに集中する工夫を、自分のタスクに合うように「カスタマイズ」すること。

この2点を意識して、ワンタスク戦略で日々のタスクに取り組めば、成果を積み上げることが可能になるのです。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

メラニア夫人、プーチン氏に書簡 子ども連れ去りに言

ワールド

米ロ首脳、ウクライナ安全保証を協議と伊首相 NAT

ワールド

ウクライナ支援とロシアへの圧力継続、欧州首脳が共同

ワールド

ウクライナ大統領18日訪米へ、うまくいけばプーチン
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...「就学前後」に気を付けるべきポイント
  • 3
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コロラド州で報告相次ぐ...衝撃的な写真の正体
  • 4
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 5
    債務者救済かモラルハザードか 韓国50兆ウォン債務…
  • 6
    「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」(東京会場) …
  • 7
    「笑い声が止まらん...」証明写真でエイリアン化して…
  • 8
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 9
    【クイズ】次のうち、「軍事力ランキング」で世界ト…
  • 10
    「触ったらどうなるか...」列車をストップさせ、乗客…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...「就学前後」に気を付けるべきポイント
  • 3
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた「復讐の技術」とは
  • 4
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 5
    「笑い声が止まらん...」証明写真でエイリアン化して…
  • 6
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 7
    これぞ「天才の発想」...スーツケース片手に長い階段…
  • 8
    「触ったらどうなるか...」列車をストップさせ、乗客…
  • 9
    「何これ...」歯医者のX線写真で「鼻」に写り込んだ…
  • 10
    産油国イラクで、農家が太陽光発電パネルを続々導入…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失…
  • 6
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 7
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 10
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中