最新記事

SNS

トランプの投稿に警告表示を付けたツイッターをフェイスブックも支持?

Zuckerberg Says Politicians Can't Say Whatever They Want on Facebook

2020年5月29日(金)15時55分
キャサリン・ファン

ツイッターは、トランプの投稿直下に青い文字で警告マークと、事実を確認するためのサイトへのリンクを付けた screenshot/twitter

<ソーシャルメディア上での虚偽情報や誹謗中傷はどこまで許されるのか。ツイッターがトランプの怪しげなツイートに警告表示をつけたのに怒ったトランプは、ソーシャルメディアを規制する大統領令に署名したが>

ツイッターがドナルド・トランプ大統領の虚偽ツイートに「警告表示」を付けた問題で、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は5月28日、テレビに出演してソーシャルネットワーク上での言論の自由について考えを語り、同社のポリシーに違反した者は、たとえ政治家でもその投稿を削除すると述べた。

「私たちは、何が真実で何が誤りかを判定する立場にはないが、だからといって政治家であれ誰であれ、好きなことを言っていいことにはならない」と彼は主張した。

ザッカーバーグは、フェイスブックのポリシーは「人々にできる限り発言の機会を提供する」ことだと説明。だがその発言に、人に害を及ぼす内容や暴力を引き起こす内容、嘘の情報などが含まれていた場合には、「その発言者が誰であれ、投稿内容を削除する」と述べた。

彼は削除対象とする投稿の例として、「実際には違うのに、ある病気の治療に特定のものが有効だと証明されたと主張する投稿」を挙げた。フェイスブックは3月に、人々の健康に悪影響を及ぼすニセ情報の拡散を防ぐためとしてブラジルのジャイル・ボルソナロ大統領の投稿を削除している。ボルソナロは投稿した動画の中で、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の治療には、抗マラリア薬のヒドロキシクロロキンが効くと主張した。治療薬として期待されているが、深刻な副作用の報告もある薬だ。「守るべき一線はあり、今後もそれは守っていく」とザッカーバーグは説明した。

<参考記事>フェイクニュースは戦争を起こす?!

トランプの投稿へのツイッター対応を批判

だがザッカーバーグは今週早くに、逆のことも言っていた。ツイッターがドナルド・トランプ米大統領の事実関係が疑わしい投稿に事実確認(ファクトチェック)を促す注記を表示したことを批判した。トランプは5月26日の投稿の中で、カリフォルニア州が新型コロナウイルスの感染回避のため、11月の大統領選では郵送による投票を認めると発表したことについて、「郵便投票は不正選挙を招く」と主張していた。

ツイッターはトランプのこのツイートに、郵便投票が不正につながる証拠はない、と説明するページへのリンクを貼った。

ツイッターのジャック・ドーシーCEOは、大統領のツイートについて事実確認の注意喚起を行った自社の対応を擁護。27日にツイッター上に発表した声明で、「私たちは今後も、世界中で行われる選挙についての不正確な情報を指摘していくつもりだ。私たちが間違いを犯した場合には、それを認めて謝罪する」と述べた。

ドーシーはさらにこう続けた。「私たちは『真実の裁定者』になるつもりはない。私たちが目指しているのは、矛盾する発言を指摘し、論争の対象となっている情報を示し、人々が自分で判断できるようにすることだ。私たちが事実確認を促した理由がユーザーにはっきりと分かるように、私たちの透明性を高めることは、非常に重要だ」

<参考記事>「正義感」と「偽物の人」に注意! SNSを居心地のよい場にする方法

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

BofA、米国内の最低時給を25ドルに引き上げ 2

ビジネス

7月の機械受注(船舶・電力を除く民需)は前月比4.

ワールド

ウクライナ、米欧の新支援制度でパトリオットなど調達

ワールド

米下院、政府機関閉鎖回避に向けつなぎ予算案審議へ 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 2
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 5
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍…
  • 6
    【クイズ】世界で最も「リラックスできる都市」が発…
  • 7
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 8
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 6
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「なんて無駄」「空飛ぶ宮殿...」パリス・ヒルトン、…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中