最新記事

感染症対策

「人工肺装置ECMOの増産・導入支援を緊急経済対策に盛り込む」西村再生相

2020年4月2日(木)11時20分

西村康稔経済再生担当相は2日午前、ECMO(人工肺装置)の専門知識を持つ医師、竹田晋浩氏(日本COVID─19対策ECMOnet所属)と面会した後、「ECMOの増産支援、導入支援を緊急経済対策の中に盛り込みたい」と記者団に述べた。写真は2019年9月、首相官邸で撮影(2020年 ロイター/Issei Kato)

西村康稔経済再生担当相は2日午前、ECMO(人工肺装置)の専門知識を持つ医師、竹田晋浩氏(日本COVID─19対策ECMOnet所属)と面会した後、「ECMOの増産支援、導入支援を緊急経済対策の中に盛り込みたい」と記者団に述べた。ECMOは、新型コロナウイルスの重篤感染者のうち、7割が回復したという実績があるという。

対策の規模感や時期については「今後、厚生労働省や経済産業省としっかり連携して調整したい」と説明した。

西村担当相は、1日の専門家会議を受け、医療態勢を整えることが急務だということを認識しているとし、「重篤になっても、一人でも多くの人の命を守れるよう、全力を尽くす」とコメントした。

新型コロナウイルスの感染者約40人の治療でECMOを活用したところ、21人が回復した。ECMOは現在、国の指定医療機関で400台ほど確保されているという。西村担当相は「約7割の命を救っている」とその実績を確認した上で、ECMOの増産、導入支援を急ぐ構えを示した。すでに、大手メーカーのテルモ<4543.T>ではECMOの増産を発表している。

ただ、治療にECMOを使用する際は、医療従事者6─7人で機材を扱う必要があることに加え、ECMOを扱える人材の確保も課題だという。西村担当相は「人材育成の教材プログラムや、本来時間がかかる研修期間を短時間でできる枠組みを考えていきたい」と述べた。

(浜田寛子 編集:内田慎一)

[東京 2日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・BCGワクチンの効果を検証する動きが広がる 新型コロナウイルス拡大防止に
・中国からの医療支援に欠陥品多く、支援の動機を疑えとEU警告
・人前で「コロナ」と言ったりマスクをするだけで逮捕される国とは


cover200407-02.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年4月7日号(3月31日発売)は「コロナ危機後の世界経済」特集。パンデミックで激変する世界経済/識者7人が予想するパンデミック後の世界/「医療崩壊」欧州の教訓など。新型コロナウイルス関連記事を多数掲載。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

独ZEW景気期待指数、5月はプラス転換 予想も上回

ビジネス

ホンダ社長、日産との統合協議再開「当分もうない」

ビジネス

世界経済の不確実性、貿易戦争終結でも続く=アイルラ

ワールド

パキスタン、インドの攻撃で約50人死亡と発表 40
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:2029年 火星の旅
特集:2029年 火星の旅
2025年5月20日号(5/13発売)

トランプが「2029年の火星に到着」を宣言。アメリカが「赤い惑星」に自給自足型の都市を築く日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映った「殺気」
  • 3
    ゴルフ場の近隣住民に「パーキンソン病」多発...原因は農薬と地下水か?【最新研究】
  • 4
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 5
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王…
  • 6
    「出直し」韓国大統領選で、与党の候補者選びが大分…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    「がっかり」「私なら別れる」...マラソン大会で恋人…
  • 9
    あなたの下駄箱にも? 「高額転売」されている「一見…
  • 10
    ハーネスがお尻に...ジップラインで思い出を残そうと…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王…
  • 7
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映…
  • 8
    ゴルフ場の近隣住民に「パーキンソン病」多発...原因…
  • 9
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 10
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中