最新記事

感染症

「新型コロナウイルス第2波、今冬に米国を襲う より大きな影響も」米CDC局長

2020年4月22日(水)11時14分

米疾病対策センターのレッドフィールド局長は、新型コロナウイルス感染拡大の第2波が今年の冬に米国を襲う見通しで、インフルエンザの季節と重なるため、今回よりも大きな影響が及ぶ可能性があると警告した。写真はニューヨークで撮影(2020年 ロイター/Mike Segar)

米疾病対策センター(CDC)のレッドフィールド局長は21日、新型コロナウイルス感染拡大の第2波が今年の冬に米国を襲う見通しで、インフルエンザの季節と重なるため、今回よりも大きな影響が及ぶ可能性があると警告した。

米紙ワシントン・ポスト(WP)のインタビューで「次の冬に米国に到来する新型ウイルスの襲撃は、われわれが今回経験したよりも厳しいものになる可能性がある」と語った。

現在の感染状況は、最近の入院率低下などが示すように徐々に落ち着きつつあるが、当局は今後、再び感染が急増する可能性に備える必要があると認識している。

レッドフィールド局長は「インフルエンザと新型コロナの流行に同時に直面するだろう」とし、最初の感染拡大時と比べ、医療制度に一層大きな負担がかかることになるとの見解を示した。

新型コロナは、中国中部の湖北省武漢市で昨年終盤に発生。米国では今年1月20日にワシントン州シアトル近郊で、渡航に関連した最初の感染例が確認された。それ以来、81万人近くが感染し、4万5000人超が死亡している。

レッドフィールド局長や他の衛生当局者は、全国的な外出禁止令や事業閉鎖、学校休校などの措置が感染拡大の抑制につながったと評価している。

ただ、局長はこうしたロックダウン(都市封鎖)措置が徐々に緩和されても、個人が引き続き社会的距離を確保することが重要と強調。同時に衛生当局は検査体制を大幅に強化し、感染者を特定するとともに、接触者の追跡を通じて濃厚接触者を見つけ出す必要があるとの認識を示した。

外出禁止令に抗議するデモが各地で起きていることについては、「助けにならない」と一蹴した。

新規感染者が感染を広めるのを防ぐ鍵となる接触追跡体制を全国で構築するには、30万人の労力が必要との見方もあり、多くの人員を動員する必要性が大きな課題となっている。

レッドフィールド局長は国勢調査局の職員やボランティアプログラムのピースコープ、アメリコーからボランティアを募り、研修を実施して新たな接触追跡体制を構築する可能性について州当局者と協議していることを明らかにした。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・「ストックホルムは5月には集団免疫を獲得できる」スウェーデンの専門家の見解
・日本がコロナ死亡者を過小申告している可能性はあるのか?
・アメリカの無関心が招いた中国のWHO支配
・シンガポール、新型コロナ感染1日で1426人と急増 寮住まいの外国人労働者間で拡大


20200428issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年4月28日号(4月21日発売)は「日本に迫る医療崩壊」特集。コロナ禍の欧州で起きた医療システムの崩壊を、感染者数の急増する日本が避ける方法は? ほか「ポスト・コロナの世界経済はこうなる」など新型コロナ関連記事も多数掲載。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン、イスラエルに報復 弾道ミサイル「第一波」発

ワールド

米軍、イスラエルへ向かうイラン無人機を撃墜 

ビジネス

アングル:パリ五輪、企業の広告需要回復 デジタルの

ワールド

イラン、100機超える無人機発射 イスラエル軍発表
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:オッペンハイマー アメリカと原爆
特集:オッペンハイマー アメリカと原爆
2024年4月16日号(4/ 9発売)

アカデミー作品賞映画がアメリカに突き付けた、埋もれた記憶と核兵器のリアル

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入、強烈な爆発で「木端微塵」に...ウクライナが映像公開

  • 3

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...当局が撮影していた、犬の「尋常ではない」様子

  • 4

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 5

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 6

    エリザベス女王が「誰にも言えなかった」...メーガン…

  • 7

    ロシア軍が戦場に乗り捨てた軍用車の「異形」...後ろ…

  • 8

    「結婚に反対」だった?...カミラ夫人とエリザベス女…

  • 9

    『大吉原展』炎上とキャンセルカルチャー

  • 10

    マレーシアの砂浜で、巨大な「グロブスター」を発見.…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入、強烈な爆発で「木端微塵」に...ウクライナが映像公開

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    NewJeans、ILLIT、LE SSERAFIM...... K-POPガールズグ…

  • 5

    ドイツ空軍ユーロファイター、緊迫のバルト海でロシ…

  • 6

    ドネツク州でロシアが過去最大の「戦車攻撃」を実施…

  • 7

    金価格、今年2倍超に高騰か──スイスの著名ストラテジ…

  • 8

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 9

    ロシアの隣りの強権国家までがロシア離れ、「ウクラ…

  • 10

    「もしカップメンだけで生活したら...」生物学者と料…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    巨匠コンビによる「戦争観が古すぎる」ドラマ『マス…

  • 8

    野原に逃げ出す兵士たち、「鉄くず」と化す装甲車...…

  • 9

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中