最新記事

日本政治

政府、緊急事態宣言を全国一律1カ月程度延長へ 明日の専門家会議で判断

2020年4月30日(木)15時30分

政府は新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言の期間を全国を対象に1カ月程度延長する方向で検討に入った。最短5月末を軸に、地域に応じた段階的な解除などを検討する見通し。写真は東京都内のパチンコ店が並ぶ一角。4月28日撮影(2020年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

政府は新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言の期間を全国を対象に1カ月程度延長する方向で検討に入った。最短5月末を軸に、地域に応じた段階的な解除などを検討する見通し。5月1日にも開催する専門家会議の意見を踏まえ、安倍晋三首相が総合判断する。複数の政府・与党関係者が明らかにした。

政府は4月7日に緊急事態宣言を7都府県に発令、16日には対象を全国に拡大した。発令当初は人と人の接触を8割削減できれば2週間で感染拡大がピークアウトし減少に転じるとの見通しから、期限を5月6日に定めていた。

しかし東京都で100人台の新規感染者が続くなど、感染拡大が止まらない状況が続いている。全国知事会が29日に開催したテレビ会議では、緊急事態宣言を全国一律で延長すべきとの意見が多数でた。

安倍晋三首相も29日の参院予算委員で「5月6日にこれで終わったといえるか、依然厳しい状況が続いている」との認識を示し、延長の必要性を示唆していた。

関係筋によると1日にも開かれる専門家会議の分析内容を踏まえ、首相が延長の基本方針を示す。延長の正式な手続きは4日前後にずれ込む見通し。延長に関する首相の国会報告時期も今後詰める。1カ月後の解除の在り方についても、今後地域に応じてどのような形態とするか議論する見通し。

野党の間では、延長すれば30日に成立する見通しの20年度補正予算を盛り込んだ緊急経済対策では規模が不十分との指摘もあるが、政府側は補正に計上している1.5兆円の予備費で対応する姿勢。今後の状況に応じて2次補正予算の必要性などが議論される可能性はある。

(竹本能文)

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・韓国そして中国でも「再陽性」増加 新型コロナウイルス、SARSにない未知の特性
・英、子供が炎症で死亡 川崎病と似た症状も、新型コロナウイルスとの関連調査へ
・東京都、新型コロナウイルス新規感染47人確認 都内合計4106人に
・ベルギーの死亡率が世界一高いといわれる理由、ポルトガルが低い理由.......


20050512issue_cover_150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年5月5日/12日号(4月28日発売)は「ポストコロナを生き抜く 日本への提言」特集。パックン、ロバート キャンベル、アレックス・カー、リチャード・クー、フローラン・ダバディら14人の外国人識者が示す、コロナ禍で見えてきた日本の長所と短所、進むべき道。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米中貿易枠組み合意、軍事用レアアース問題が未解決=

ワールド

独仏英、イランに核開発巡る協議を提案 中東の緊張緩

ワールド

イスラエルとイランの応酬続く、トランプ氏「紛争終結

ワールド

英、中東に戦闘機を移動 地域の安全保障支援へ=スタ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 2
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 3
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されずに「信頼できない人」を見抜く方法
  • 4
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 5
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 6
    構想40年「コッポラの暴走」と話題沸騰...映画『メガ…
  • 7
    逃げて!背後に写り込む「捕食者の目」...可愛いウサ…
  • 8
    「結婚は人生の終着点」...欧米にも広がる非婚化の波…
  • 9
    4年間SNSをやめて気づいた「心を失う人」と「回復で…
  • 10
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 5
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 6
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 7
    ふわふわの「白カビ」に覆われたイチゴを食べても、…
  • 8
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 9
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 10
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中