最新記事

感染爆発

米、新型コロナウイルス死者1万人突破 NY州などで安定の兆候も

2020年4月7日(火)08時10分

米ニューヨーク州のクオモ知事は6日、同州の新型コロナウイルス感染者の入院が減少し、死者の増加が横ばいになったと述べた。ニューヨーク市クイーンズ地区で撮影(2020年 ロイター/Eduardo Munoz)

米ニューヨーク、ニュージャージー両州の知事は6日、新型コロナウイルス危機が安定期に差し掛かりつつある可能性を示す初期の兆候が見られると述べた。しかし、全米での新型コロナ感染症による死者は1万人を突破し、予断を許さない状況が続いている。

ニューヨーク州のクオモ知事によると、同州の新型コロナ感染症による死者が前日から599人増え4758人。前日の死者増加数は594人、前週3日は630人だった。感染者は過去24時間で7%増加し13万0680人に達した。

同時に、クオモ知事は人工呼吸器を利用するために必要な挿管や集中治療室(ICU)の利用の減少と共に入院も減少しているとし、新型コロナ死者に関する「曲線が平坦化しつつある可能性」を示唆していると指摘。ただ、死者数は依然深刻で、同州が確実に危機を脱したわけではないとし、「曲線が平坦化したとしても、高水準での平坦化だ」と、くぎを差した。[nL4N2BU3J2]

さらに、不要不急の事業や学校閉鎖を4月29日まで2週間延長する方針を示したほか、ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離)規定の違反者に対する罰金を1000ドルに倍増したと発表した。

米国内でニューヨーク州に次ぎ新型コロナ感染者・死者数が多いニュージャージ州のマーフィー知事も、新型コロナ感染の「曲線平坦化に向けた取り組みが奏功し始めている」と述べ、ソーシャル・ディスタンシングや手洗いに関する指針の重要性をあらためて強調した。

同州でこれまでに確認された感染者数は4万1000人超、死者は1000人超。しかし、感染者の増加ペースはこの日12%と、3月30日時点の24%から大幅に鈍化した。

国内での死者はこの日、1万0297人に達し、イタリア、スペインに次いで世界3番目の水準となった。

全米50州とワシントンDCのうち8州を除き、自宅待機令が発令され、90%超の国民が対象となっている。

ホワイトハウスの新型コロナウイルス対策本部メンバー、ブレット・ギロイル医師はABCのテレビ番組「グッド・モーニング・アメリカ」で、「入院やICU、そして残念ながら死者数でもピークとなる週を迎えるだろう」と指摘。特にニューヨーク、ニュージャージー、コネチカット、デトロイトに警戒するよう呼び掛けた。[nL4N2BU361]

米ワシントン大学のモデル分析によると、8月4日までの米国内での死者予測は8万1766人と、先週末時点での予想から約1万2000人減少した。

カリフォルニア州は、医療機器の不足が深刻なニューヨーク州などを支援するため、連邦政府が管理する備蓄システムに人工呼吸器500台を貸し出すと表明した。

カリフォルニア州でも来月には人工呼吸器の不足が予想されるが、ニューサム州知事は当面は州内に確保している分で賄えるとしている。

ニューヨーク市では、デブラシオ市長が医療機器以上に医療従事者の不足が深刻化していると指摘し、4月いっぱいを乗り切るために、さらに4万5000人の医療スタッフが必要だと述べた。

市長は、手術用ガウンを製造する工場の前で「こうした医療物資も必要だが、それを着るヒーローが必要だ」と訴えた。

ニューヨーク市ではこれまでに3100人以上が死亡している。市の衛生当局者は、公園内に一時的に死者を埋葬しなければならない可能性があるとし、秩序と尊厳のある方法で行うが、市民には受け入れ難いことになるかもしれないと述べた。

*内容を追加しました。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・「感染者ゼロ」北朝鮮の新型コロナウイルス対策
・イタリア、新型コロナウイルス死者・新規感染者ともペース鈍化 第2段階の対策検討
・新型コロナウイルス感染爆発で顕在化 「習近平vs.中国人」の危うい構造


20200414issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年4月14日号(4月7日発売)は「ルポ五輪延期」特集。IOC、日本政府、東京都の「権謀術数と打算」を追う。PLUS 陸上サニブラウンの本音/デーブ・スペクター五輪斬り/「五輪特需景気」消滅?

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米消費者の再就職見通し過去最低、雇用懸念高まる=N

ビジネス

米消費者の再就職見通し過去最低、雇用懸念高まる=N

ビジネス

国際協調崩れ、25年はビジネス環境悪化=世界経済フ

ワールド

米上院、トランプ氏のベネズエラ軍事行動制限へ 審議
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:AI兵士の新しい戦争
特集:AI兵士の新しい戦争
2026年1月13日号(1/ 6発売)

ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 5
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 6
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 7
    トランプがベネズエラで大幅に書き換えた「モンロー…
  • 8
    「グリーンランドにはロシアと中国の船がうじゃうじ…
  • 9
    「ショックすぎる...」眉毛サロンで「衝撃的な大失敗…
  • 10
    マドゥロ拘束作戦で暗躍した偵察機「RQ-170」...米空…
  • 1
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチン、その先は袋小路か
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 6
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...…
  • 7
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 8
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 9
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 10
    アメリカ、中国に台湾圧力停止を求める
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 7
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 10
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中