最新記事

イラン

新型コロナ危機のイラン、アメリカの支援申し出を拒否

Iran Rejects Trump Offer of Help on Coronavirus as Ayatollah Aide Dies

2020年3月3日(火)15時50分
デービッド・ブレナン

イラン第2の都市マシュハドの有名な聖廟も消毒の対象に(2月27日) WANA/REUTERS

<死者数は中国に次ぐ2位、複数の政府高官が感染し最高指導者ハメネイ師の側近が死亡するなど感染拡大はとどまる気配がないが>

ドナルド・トランプ米大統領は、新型コロナウイルス問題でイランに支援の意志を表明したが、イラン政府の当局者がこれをはねつけた。イランでは同ウイルスの感染が急速に拡大しており、3月2日には最高指導者ハメネイ師の側近が感染により死亡している。

同国外務省のアッバス・ムサビ報道官は2日、アメリカは新型コロナウイルスの感染拡大をイランに対するプロパガンダに利用して、国の団結を損なわせようとしていると主張した。

メヘル通信によれば、ムサビは「イランで感染が拡大し始めてから、アメリカは反イランのプロパガンダを主導し、さまざまな手段でイラン国民の士気を低下させようとしている」と主張。彼はさらに、イラン政府はアメリカによる支援の申し出に「疑いを抱いて」おり、その裏には政治的な動機が隠されているはずだと批判。「支援は必要ない」と一蹴した。

イランは新型コロナウイルスの感染拡大で最も深刻な影響を受けている国のひとつで、同国の保健省によれば、これまでに1501人が感染。死者の数は、中国本土以外で最多の66人にのぼっている。同ウイルスは世界全体でこれまでに8万9000人を超える感染者が確認され、死者の数は3000人を突破した。

政府高官にも複数の感染者

この死者の中には、イラン政府の当局者も含まれている。2日には、公益判別会議(ハメネイ師の諮問機関)のメンバーであるモハンマド・ミルモハマディ(71)がテヘランの病院で死亡。国会議員に選出されて間もないモハンマド・アリ・ラメザニと、元駐バチカン大使のハディ・コスロシャヒも同ウイルスの感染により死亡している。

このほかにも、イラン初の女性副大統領であるマスメ・エブテカール(女性・家族問題担当)をはじめとする、複数の政府高官が新型コロナウイルスに感染している。エブテカールは感染が確認される前日に閣議に出席し、ハサン・ロウハニ大統領の近くに座っていた。

そのほかの主な感染者は、イスラム教シーア派の聖地コム選出の国会議員で、イラン国会の国家安全保障・外交問題委員会の委員長を務めるモジュタバ・ゾルヌール、コムにある医科大学の学長で同市のウイルス対策を率いていたモハマド・レザ・ガディル博士、政府の新型コロナウイルス対策を統括していたイラジ・ハリルチ保健次官などがいる。

<参考記事>新型ウイルス、中東4カ国で感染初めて確認 イランから拡大
<参考記事>イランで逮捕された「ゾンビ女」の素顔

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

為替円安「極めて遺憾で憂慮」、あらゆる手段排除せず

ワールド

通常国会の早期に解散、高市首相から伝達 詳細は19

ビジネス

中国、大手オンライン旅行会社を調査 独禁法違反の疑

ビジネス

中国石炭輸入、12月が過去最高に 25年通年は1割
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
2026年1月20日号(1/14発売)

深夜の精密攻撃でマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ米大統領の本当の狙いは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「高額すぎる...」ポケモンとレゴのコラボ商品に広がる波紋、その「衝撃の価格」とは?
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救った...実際の写真を公開、「親の直感を信じて」
  • 4
    飛行機内で「マナー最悪」の乗客を撮影...SNS投稿が…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 7
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 8
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 9
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 10
    「普通じゃない...」「凶器だ」飛行機の荷物棚から「…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 5
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 6
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 7
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 8
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 9
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救っ…
  • 10
    「高額すぎる...」ポケモンとレゴのコラボ商品に広が…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 4
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 5
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 6
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 7
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 9
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中