最新記事

新型コロナウイルス

ニューヨーク当局が新型コロナ時代のセックス指針を公開「最も安全な相手は自分自身」

New York City Releases Guide to Safe Sex During COVID-19 Pandemic

2020年3月23日(月)16時22分
アッシャー・ストックラー

相手は身近な人だけにしておこう Artem Peretiatko-iStock.

<新型コロナウイルスの感染者が急増しているニューヨーク市の保健局が、市民のセックスライフに助言。どこまで禁欲的なのか、その中身は?>

新型コロナウイルスが猛威を振るうなか、ニューヨーク市保健局は感染を防ぐセーフセックスに関するガイダンスをウエブサイトで公開した。

このガイダンスは、「ニューヨーク市民は家にとどまり、ウイルスの拡散を防ぐために他の人との接触を最小限にするべきだ」という警告から始まる。

しかし「セックスを楽しみ」、かつウイルスの「感染拡大を避ける」方法もある、と提案。「最も安全なセックスパートナーは自分自身です」と述べた。

「マスターベーションなら新型コロナウイルスを拡散するリスクはない。前と後に石鹸で20秒間手を洗えばさらに安全だ」──この部分は一時ウエブサイトから削除されたが、後に再掲された。

本誌の取材に対して保健局は、このガイダンスの内容は「定期的に更新される」こと、そして「セックスをしてもかまわない」ことを市民に知ってほしいと語った。

「セクスティングも検討すべき」

ガイダンスによれば、自宅隔離と社会距離戦略(ソーシャル・ディスタンシング)が実施されている期間中は「身近な人とセックスをする」ことが重要で、マスターベーションの次に「安全なパートナーは、一緒に住んでいる人」だという。

「セックスをはじめ、濃厚な接触を少数の身近な人だけに限定することは、新型コロナウイルスの拡散を防ぐ」うえで役に立つとし、「外の人とのセックスをふくむ濃厚な接触をする」のは避けるべきと警告する。

さらに、「市民はビデオデートやセクスティング(スマートフォンで性的な映像を送る)、チャットルーム」など、対面での性行為の代替手段を検討してほしいと呼びかけている。

現在のところ、新型コロナウイルスが性交で感染する可能性を示す証拠はない。だが、キスや親密な接触など、セックスに伴う行動には感染の危険があると医師は言う。

ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は21日の記者会見で、入院患者の急増に対応するためにニューヨーク市内の大型展示場ジャビッツセンターを臨時の病院施設に転用する考えを明らかにした。さらに州内で、1人あたりの検査数で中国や韓国を上回る4万5437件の検査を実施した結果、1万356人に陽性反応が見られたことを発表した。

「検査を増やせばそれだけ感染者の数も増える」と、クオモは警告した。「新しい感染者数の増加は、実施した検査の数を反映しているだけだ」

ニューヨークのビル・デブラシオ市長は3月20日、ニューヨーク市が感染拡大の「中心地」になっていると語った。

(翻訳:栗原紀子)


20200331issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年3月31日号(3月24日発売)は「0歳からの教育 みんなで子育て」特集。赤ちゃんの心と体を育てる祖父母の育児参加/日韓中「孫育て」比較/おすすめの絵本とおもちゃ......。「『コロナ経済危機』に備えよ」など新型コロナウイルス関連記事も多数掲載。


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日経平均は小幅続伸、半導体関連小じっかり 積極売買

ワールド

韓国国民年金、新たなドル調達手段を検討 ドル建て債

ワールド

アサド政権崩壊1年、行方不明者の調査進まず 家族の

ビジネス

豪中銀が金利据え置き、利上げリスクに言及 緩和サイ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...かつて偶然、撮影されていた「緊張の瞬間」
  • 4
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 5
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 6
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 7
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 8
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 9
    中国の著名エコノミストが警告、過度の景気刺激が「…
  • 10
    「1匹いたら数千匹近くに...」飲もうとしたコップの…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 7
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 10
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中