最新記事

新型コロナウイルス

米政府、新型コロナウイルス対策で1億ドル支援 クルーズ船運営会社、中国国民の乗船禁止へ

2020年2月8日(土)11時22分

コロナウイルス、各国の経済に影響

新型ウイルス感染拡大が継続する中、製造業や高級品業界など幅広い企業活動にも影響が広がっている。

仏自動車大手ルノーは新型ウイルス感染拡大を背景とした中国のサプライチェーン混乱を踏まえ、韓国子会社ルノーサムスン自動車(RSM)の釜山工場の操業を11日から4日間停止すると発表した。ルノーの広報担当は、日産<7201.T>と連携し、サプライチェーン混乱に取り組んでいると述べた。釜山工場では日産の主力スポーツ多目的車(SUV)「ローグ」を生産する。ルノーは今週、新型ウイルスの震源地とされる中国・湖北省武漢の工場を13日まで閉鎖する方針を示している。

英高級ブランドのバーバリーは中国本土の64店舗中24店舗を閉鎖。残りの店舗も営業時間を短縮しており、客足は大きく落ち込んでいることを明らかにした。

米化粧品大手エスティ・ローダーも店舗閉鎖や需要減が響くとし、2020年度の利益見通しを下方修正。カナダの高級ダウンジャケットメーカー、カナダグース・ホールディングスも、来客数の減少が通期の利益と売上高見通しに響くと予想した。

今週に入り、米高級皮革ブランドのタペストリー(旧コーチ)や米ファッションブランド持ち株会社カプリ・ホールディングス(旧マイケル・コース)、伊ベルサーチも軒並み通期利益見通しを引き下げている。

また、デンマークの輸送・ロジスティクス大手DSVの最高経営責任者(CEO)は、新型ウイルス感染拡大で「空輸能力に影響が生じている」ほか、「海運関連にも打撃が及んでいる」と指摘。さらに今後輸送料金が大幅に上昇する公算が大きいと述べた。

こうした中、香港ではスーパーで米や麺、肉類、トイレットペーパーなどのパニック買いが起きている。政府は新型ウイルス感染拡大の影響で商品が不足するという「悪質なうわさ」が広がっていると指摘し、備えは十分にあると消費者の不安払拭に努めた。

[北京/上海 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20200211issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年2月11日号(2月4日発売)は「私たちが日本の●●を好きな理由【韓国人編】」特集。歌人・タレント/そば職人/DJ/デザイナー/鉄道マニア......。日本のカルチャーに惚れ込んだ韓国人たちの知られざる物語から、日本と韓国を見つめ直す。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米GDP、1─3月期は予想下回る1.6%増 約2年

ワールド

米英欧など18カ国、ハマスに人質解放要求

ビジネス

米新規失業保険申請5000件減の20.7万件 予想

ビジネス

ECB、インフレ抑制以外の目標設定を 仏大統領 責
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP非アイドル系の来日公演

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 6

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 7

    やっと本気を出した米英から追加支援でウクライナに…

  • 8

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 9

    自民が下野する政権交代は再現されるか

  • 10

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中