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【デモ隊の告白10】「なぜ若者が遺書まで書き残し、立ち上がるのか」断食をした老人

CONFESSIONS OF A MASK

2019年12月5日(木)18時00分
チャン・ロンヘイ(写真)、ウィニー・ウォン(文)

PHOTOGRAPH BY CHAN LONG HEI

<区議選で民主派が圧勝したが、再びデモ隊と警察との衝突が発生。香港はこれからどうなるのか。デモ参加者たちが何のために戦ってきたか、それぞれの本音を聞いた本誌「香港のこれから」特集より>

香港で逃亡犯条例改正案に反対するデモが始まって6カ月。身の安全を守るため、デモ参加者のほとんどはマスクで顔を隠してきた。

時に暴徒と非難されながら、彼らは何のために戦ってきたのか。その素顔と本音を香港人の写真家・ジャーナリストが伝える。

本誌12月3日号(発売中)「香港のこれから」特集で取り上げた、15人のデモ参加者による「仮面の告白」。その1人をここに掲載する。

断食抗議をした老人 陳基裘(73)

市民の要望に対して、この政府が無関心なのは昔から分かっている。100万人、200万人規模の平和なデモに応えなかったのに、私たち十数人の断食抗議を相手にするわけがない。断食の本当の目的は、命の大切さを若者に伝えること。中には自ら命を絶った者もいた。戦いは一時的なものではないと、彼らに覚えてもらいたい。

この先どうすればいいのか分からず落ち込んでいた若者たちに、勇気を持って人生を歩き困難を乗り越えて戦い続ける大切さを話した。その後、彼らは私の元に戻って、「陳じいさん、ありがとう。考え抜いた結果、自分が強くなろう、みんなと共に戦っていこうと決めた」と言ってくれた。

香港には司法制度があり、市民が過ちを犯したら、法律で裁くことは当然。しかし、法律を熟知した上でそれを破る警察は許せない。誤った指示を出した警察上層部の責任を追及すべきだ。法執行機関も法律を守るということを、警察に知ってもらわねばならない。

香港はまだ希望がある。なぜ若者が遺書まで書き残し、死ぬ可能性をも承知の上で立ち上がるのか? 彼らが香港のために尽くす気持ちは、みんなの目に焼き付いている。

<2019年12月3日号「香港のこれから」特集より>

※他のデモ参加者による「仮面の告白」:
【デモ隊の告白1】「前線にも行った。香港にはまだ希望を持っている」女子高校生
【デモ隊の告白2】「北京の仕事を辞めて香港に戻り、消火部隊に入った」25歳女性
【デモ隊の告白3】「民主はなくてもイギリス人は愛国心を押し付けなかった」運転手
【デモ隊の告白4】「僕は会社にも行くが、闘争こそが真実」フル装備の香港人男性
【デモ隊の告白5】「この街が好きな理由を取り戻したい」香港人救急ボランティア
【デモ隊の告白6】「次の世代のために自分が銃弾を受け止める番」20歳女性
【デモ隊の告白7】「中国本土で生まれ、愛国心のある子供だったが」24歳男性
【デモ隊の告白8】「香港が中国のただの1つの省になってほしくない」中産階級の男性
【デモ隊の告白9】「警察を調査しないと、みんなの気が済まない」駅で花を供える女性
【デモ隊の告白11】「レノンウォールの『成長』に衝撃を受けた」見守る香港女性たち
【デモ隊の告白12】「プロテスタントとカトリックが支援に駆け付けた」香港の牧師

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12月3日号(11月26日発売)は「香港のこれから」特集。デモ隊、香港政府、中国はどう動くか――。抵抗が沈静化しても「終わらない」理由とは? また、日本メディアではあまり報じられないデモ参加者の「本音」を香港人写真家・ジャーナリストが描きます。

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