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香港のこれから

【デモ隊の告白2】「北京の仕事を辞めて香港に戻り、消火部隊に入った」25歳女性

CONFESSIONS OF A MASK

2019年11月26日(火)19時00分
ビオラ・カン(写真・文)

PHOTOGRAPH BY VIOLA KAM

<香港では民主派が選挙で地滑り的勝利を収め、香港政府と中国の出方に注目が集まっている。これまで半年、デモ参加者たちは何のために戦ってきたのか。本誌「香港のこれから」特集より>

香港で逃亡犯条例改正案に反対するデモが始まって6カ月。身の安全を守るため、デモ参加者のほとんどはマスクで顔を隠してきた。

時に暴徒と非難されながら、彼らは何のために戦ってきたのか。その素顔と本音を香港人の写真家・ジャーナリストが伝える。

本誌12月3日号(11月26日発売)「香港のこれから」特集で取り上げた、15人のデモ参加者による「仮面の告白」。その1人をここに掲載する。

デモ隊の消火部隊の女性 Blue(25)

5月1日から北京で就職し、6月上旬になって初めて逃亡犯条例改正案について理解した。その時は6月4日(天安門事件30周年)が迫っていたため、(ネットの情報も規制されて)香港のニュースを見るだけでもとても大変だったが、なるべく確認するようになった。異郷での1人の生活でいたたまれなくなり、仕事を辞めて香港に戻ることを決意した。

デモ隊の消火隊を選んだのは好奇心で、どうやって催涙弾を消すのか知りたかったから。初めに使った消火ツールは、魚を蒸す香港式のステンレス皿と水だけ。消火器も持ってみたが、重たくてやめた。皿を催涙弾にかぶせ、それを足で踏んで空気を遮断してから水をかける。

90分間絶えず催涙ガスを食らったこともあった。皮膚が痛み、家に帰ってから体調を崩した。尖沙咀でボランティアの救急隊員が目を撃たれたのと同じ日には、警察に囲まれ逮捕されそうになった。走り続けて高速道路を越えたが、あと少しで逮捕されるところだった。

真の普通選挙が実現できたら運動は終わると思うが、中国共産党がそう簡単に実現させるわけがない。その前にデモ隊200万人全員を監禁し、誰も立ち上がる勇気がなくなったら、運動は終わる。香港に希望を持っていないから、失望することもない。離れることもできないから、立ち上がって前線へ向かい、今できることをやるしかない。

<2019年12月3日号「香港のこれから」特集より>

※他のデモ参加者による「仮面の告白」:
【デモ隊の告白1】「前線にも行った。香港にはまだ希望を持っている」女子高校生
【デモ隊の告白3】「民主はなくてもイギリス人は愛国心を押し付けなかった」運転手
【デモ隊の告白4】「僕は会社にも行くが、闘争こそが真実」フル装備の香港人男性
【デモ隊の告白5】「この街が好きな理由を取り戻したい」香港人救急ボランティア
【デモ隊の告白6】「次の世代のために自分が銃弾を受け止める番」20歳女性
【デモ隊の告白7】「中国本土で生まれ、愛国心のある子供だったが」24歳男性
【デモ隊の告白8】「香港が中国のただの1つの省になってほしくない」中産階級の男性
【デモ隊の告白9】「警察を調査しないと、みんなの気が済まない」駅で花を供える女性
【デモ隊の告白10】「なぜ若者が遺書まで書き残し、立ち上がるのか」断食をした老人
【デモ隊の告白11】「レノンウォールの『成長』に衝撃を受けた」見守る香港女性たち
【デモ隊の告白12】「プロテスタントとカトリックが支援に駆け付けた」香港の牧師

20191203issue_cover150.jpg
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12月3日号(11月26日発売)は「香港のこれから」特集。デモ隊、香港政府、中国はどう動くか――。抵抗が沈静化しても「終わらない」理由とは? また、日本メディアではあまり報じられないデモ参加者の「本音」を香港人写真家・ジャーナリストが描きます。

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