最新記事

韓国

韓国のインスタントラーメン消費は世界一、その日本との関わりは?

2019年9月12日(木)17時30分
佐々木和義

韓国の20代女性は、辛い麺汁なし麺を好む YouTube

<韓国は1人あたりのインスタントラーメン年間消費量が世界一だが、日本との関わりは深かったようだ......>

韓国のインスタント麺メーカーが20代女性に注目している。世界ラーメン協会(WINA)による1人あたりのインスタントラーメン年間消費量は韓国が74.6食で最も多く、2位ベトナムの53.9食を大きく引き離す。

インスタントラーメン大国の韓国で、毎年、多くの新製品が登場しては消えていくなか、生き残る製品は20代女性の購入率が高い共通点があり、各メーカーは20代から30代の女性をターゲットに商品開発を行っている。韓国の男性は同じ製品を繰り返して購入する傾向がある一方、20代女性は新製品に挑戦し、SNSで拡散する。

20代女性は、スープがなく、辛い麺を好む

コンビニ大手のGS25で三養の「プルダク焼きそば」がカップ麺販売量1位になり、PBブランドユーアスの「オモリキムチチゲラーメン」が2位に浮上した。韓国のコンビニエンスストアで20代女性が占める売上は16%程度だが、「プルダク焼きそば」は36%、「オモリキムチチゲラーメン」も29%を20代女性が購入する。ほかに三養の「カルボプルダク焼きそば」(36%)、八道「トゥムセラーメン」(26%)、「ホンラーメン辛チーズ麺」(38%)など20代女性の購入比率が高い製品がランキング上位を占めている。

20代女性が好む製品は2つの特徴がある。スープがなく、辛い麺だ。ダイエットに敏感な女性はスープが多いほど塩分が多いと考え、焼きそば形式を選択する。また辛い食べ物を食べてストレスを発散するなどより辛いものを求めるのだ。

「火鶏」を意味するプルダクシリーズで最も辛い「ヘクプルダク焼きそば」は、辛さの基準であるスコビル指数(SHU)が10000SHUで、八道(パルド)のトゥムセラーメンも9413SHUと、2700SHU相当の辛ラーメンをはるかに凌ぐ辛さである。

日本の「明星食品」が技術を無償で供与した

韓国の生ラーメンは日本式が主流だ。中国風麺料理を提供する中華料理店はあるが、ラーメン専門店は多くが日本式で、スーパーなどで販売する生ラーメンも日本式を謳っている。

韓国でラーメン(韓国語はラミョン)といえばインスタントラーメンを指す。スーパーやコンビニなど100種類を超えるインスタントラーメンを販売し、飲食店でも即席麺が供される。人気料理プディチゲのトッピングもサリミョンと呼ばれる即席麺だ。

最も人気があるのは農心の「辛ラーメン」で、「三養ラーメン」とシェアを2分する。軽食店でラーメンを注文すると、辛ラーメンに具材を加えた料理が供される。辛い料理を注文するとき「辛ラーメン」と同等など、辛さの基準になるほど定着している製品だ。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

トランプ氏「同意しない者はFRB議長にせず」、就任

ワールド

イスラエルのガザ再入植計画、国防相が示唆後に否定

ワールド

トランプ政権、亡命申請無効化を模索 「第三国送還可

ワールド

米司法省、エプスタイン新資料公開 トランプ氏が自家
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者・野村泰紀に聞いた「ファンダメンタルなもの」への情熱
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これま…
  • 5
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 6
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 7
    「何度でも見ちゃう...」ビリー・アイリッシュ、自身…
  • 8
    なぜ人は「過去の失敗」ばかり覚えているのか?――老…
  • 9
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 10
    楽しい自撮り動画から一転...女性が「凶暴な大型動物…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 9
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 10
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中