英製薬アストラゼネカ、米国への上場移転を検討=英紙
7月1日付の英タイムズ紙が複数筋の話として報じたところによると、英製薬大手アストラゼネカは株式の上場先をロンドンから米国に移すことを検討している。写真は同社のロゴ。米デラウェア州ウィルミントンの同社施設で2021年3月撮影(2025年 ロイター/Rachel Wisniewski)
[1日 ロイター] - 1日付の英タイムズ紙が複数筋の話として報じたところによると、英製薬大手アストラゼネカは株式の上場先をロンドンから米国に移すことを検討している。
アストラゼネカはロンドン証券取引所の上場企業の中で時価総額が最大で、実現すれば同証取にとって打撃となりそうだ。同証取はここ数カ月、上場廃止が相次いでいる上、大型の新規株式公開(IPO)を獲得し損ねている。
アストラゼネカが上場先を米国に移せば、米国に投資を誘致したいトランプ米大統領の歓心を買うことにもなりそうだ。
同紙によると、アストラゼネカのパスカル・ソリオ最高経営責任者(CEO)は内々に、上場先を変えたい意向をたびたび口にしてきた。
アストラゼネカの株式時価総額は約1560億ポンド(2130億ドル)。
同社は何年も前から英国の事業投資環境を批判しており、1月には政府の支援が削られたことを理由に、イングランド北部のワクチン製造工場に対する4億5000万ポンド規模の投資計画を撤回した。
一方、同社は過去1年間に米国への投資計画を進め、米国の投資家や議員との関係も強化してきた。米国はアストラゼネカ製品の最大市場で、今年第1・四半期の売上高の約42%を占める。
タイムズ紙によると、ソリオCEOが上場先移転を進めた場合には一部取締役や英国政府の反対に遭う可能性がある。
アストラゼネカはコメントを控えた。
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