最新記事

人種差別

メーガン妃の「赤ちゃんの肌の色は?」でCNNが炎上

CNN Ridiculed For Asking 'How Black Will The Royal Baby Be?"

2019年5月8日(水)18時55分
ベンジャミン・フィアナウ

このサブタイトルに対して反射的な批判の声をあげた人々の多くは、ブレイクの記事の、「慎重を期す必要がある理由はこうだ」という書き出しで始まる以下の段落をとくに問題視した。

「ロイヤルベビーへの注目は、すでに人種に関する最も危険な偏見のいくつかを復活させた。そして多くの場合、偏見を助長している専門家はそれがどれほど人々を傷つけているかまったく気づいていない」

ブレイクに批判的なジャーナリストや政治家らは、6日夜から7日にかけて、このサブタイトルをソーシャルメディアに次々と投稿した。

「なんとCNNは『赤ん坊の肌はどのくらい黒い?』と問いかけた。それでよく他の専門家を人種差別的だと批判できるものだ」と投稿したのは、バージニア州上院議員に民主党から立候補している人権に関する著述家クアシム・ラシッドだ。

パームビーチポストの記者レスリー・ストリーターは、「これはまったくの監督不行き届き。どんなバカでも公式ニュースサイトを使ってその代表であるかのように発言できてしまうことから起こることだ」と批判した。

無視された真の論点

「これは本当に起こったことなのか?」 と、投稿したのはワシントンポスト紙のユージーン・スコットだ。

人気テレビドラマ『Empire 成功の代償』の脚本家エリック・ヘイウッドも参戦し、「みんな落ち着いて。ロイヤルベビーが『黒人』か、それが『普通』かはともかく、誰も人種差別主義者にはならないようにしよう。だってそれは、本当にみっともないことだから」と綴った。

ブレイクの記事に対する批判は、彼が主張する重要な論点を頭から無視し、もっと些末な部分に噛みつくものばかりだった。

ブレイクの分析と、彼の言葉の受けとめられ方のギャップを明らかに示しているのは、記事の結びの部分だろう。

最後の段落で、彼は自分の希望をこう綴っている。「想像してほしい。公爵夫妻のようなカップルに子供が生まれたとき、その子の人種が何なのか、色が白いか黒いかなどということには誰もこだわらない未来を」──それが、ブレイクの結論だ。

(翻訳:栗原紀子)

ニューズウィーク日本版 ISSUES 2026
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月30日/2026年1月6号(12月23日発売)は「ISSUES 2026」特集。トランプの黄昏/中国AIに限界/米なきアジア安全保障/核使用の現実味/米ドルの賞味期限/WHO’S NEXT…2026年の世界を読む恒例の人気特集です

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ロ、ウクライナで戦略的主導権 西側は認識すべき=ラ

ビジネス

ソフトバンクG、米デジタル基盤投資会社を買収 AI

ワールド

トランプ氏、パウエルFRB議長提訴を警告 後任は来

ワールド

トランプ氏、イラン攻撃を警告・ハマスに武装解除要求
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 5
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 6
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 7
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 10
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 7
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 10
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中