最新記事

アメリカ政治

トランプ、「国境封鎖」でメキシコを恫喝

Trump: Closing Border is 'Profit-Making Operation'

2019年4月1日(月)19時00分
クリス・モラン

この発言は、メキシコ国境の「壁」の必要性に関する過去の主張と矛盾する。麻薬取締局(DEA)の記録によれば、トランプは2月の演説で、「ドラッグの多くは通関手続地を経由して密輸されており、壁はその違法な流入を食い止める役にはほとんど立たない」と主張する人々をやゆした。

「一部の民主党の政治家が『(メキシコから流入するドラッグは)すべて通関手続地を通ってきている』と言っているのを耳にしたとしても、それは間違っている」とトランプはこの時述べていた。「ただの嘘だ。みんな嘘だ。連中は『壁は役に立たない』と言っているが、壁は100%役に立つ」

トランプは今回のメキシコへの「最後通牒」をツイッターで開始した。

「民主党(政権)は世界最弱の移民法を残していった」とトランプは切り出した。「メキシコには最強の移民法があり、アメリカと(の貿易で)年に1000億ドルも稼いでいる。議会はわが国の弱い移民法を今すぐに変えなければならない。そしてメキシコは自国を抜けて国境を越え、アメリカに不法入国する者たちを止めなければならない。メキシコは長年にわたってアメリカから稼ぎを上げてきた。国境(管理)の費用をはるかに上回る額を」

トランプはこう続けた。「メキシコがすべての不法移民が国境を越えてアメリカに流入するのを即刻止めないなら、私は国境を、もしくは国境のかなりの部分を来週にも閉鎖する用意がある。これ(不法移民の足止め)はメキシコにとっては造作もないことのはずだが、連中はアメリカの金を使って『対話』するだけだ。その上、メキシコとの間で(特に麻薬密輸などを勘定に入れると)われわれは大損をしているから、国境閉鎖はいいことだ!」

(翻訳:村井裕美)


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン議会、IAEAとの協力停止法案承認 査察など

ワールド

トランプ氏、イラン攻撃の成果誇示 核開発数十年遅ら

ワールド

IAEA事務局長、イラン核施設への査察再開が最優先

ビジネス

フジ株主総会、会社提案の取締役11人全員承認 ファ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本のCEO
特集:世界が尊敬する日本のCEO
2025年7月 1日号(6/24発売)

不屈のIT投資家、観光ニッポンの牽引役、アパレルの覇者......その哲学と発想と行動力で輝く日本の経営者たち

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々と撤退へ
  • 3
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係・仕事で後悔しないために
  • 4
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり…
  • 5
    都議選千代田区選挙区を制した「ユーチューバー」佐…
  • 6
    人口世界一のインドに迫る少子高齢化の波、学校閉鎖…
  • 7
    「子どもが花嫁にされそうに...」ディズニーランド・…
  • 8
    細道しか歩かない...10歳ダックスの「こだわり散歩」…
  • 9
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 10
    【クイズ】北大で国内初確認か...世界で最も危険な植…
  • 1
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 2
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の「緊迫映像」
  • 3
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 4
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 7
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
  • 8
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり…
  • 9
    「アメリカにディズニー旅行」は夢のまた夢?...ディ…
  • 10
    ホルムズ海峡の封鎖は「自殺行為」?...イラン・イス…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝…
  • 8
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中