最新記事

害虫

この虫を見たら要注意!大量発生で農作物や木を枯らす害虫が拡散中

Christmas Tree Spotted Lanternfly Could Infest Homes

2018年10月16日(火)18時00分
ジェイソン・ホール

見た目も毒々しいシタベニハゴロモの成虫 New Jersey Department of Agriculture

<中国やインドなどアジアに広く分布する害虫が、米東海岸や日本に生息範囲を広げている。ニュージャージー州は見つけ次第駆除するよう呼び掛けている>

アメリカでは今年、シタベニハゴロモ(学術名:Lycorma delicatula)のせいで、クリスマスが台無しになる家が続出するかもしれない。ニュージャージー州農務省の造園関連部署を統括する農業専門家ジョゼフ・ゾルトウスキーは、地元メディアのNJ.comを通じて警告した。

シタベニハゴロモがクリスマスツリー用のもみの木に卵を産みつけた可能性があるという。もし繁殖すれば、木や農産物を食べて大きな被害をもたらしかねない。目撃したら直ちに駆除するよう、ニュージャージー州は注意を呼び掛けている。

シタベニハゴロモはもともと中国など東アジアに生息する虫だが、4年前にアメリカ国内で初めてペンシルベニア州で発見され、のちに東海岸全体に広まった(日本でも2009年に石川県、2013年に福井県、2017年大阪府で発見されている)。

ニュージャージー州では3つの郡で見つかっている。成虫か卵が材木や農産物などに付いて拡散したと考えられている。クリスマスツリー用もみの木の樹皮や枝に隠れている可能性もある。「(シタベニハゴロモは)非常に見つけにくい」と、ゾルトウスキーは述べる。

すす病の原因にも

ニュージャージー州ウォレン郡に住むある女性は、クリスマスツリーに付着していたシタベニハゴロモの卵が家の中で孵化したのを確認したという。専門家によると、樹皮に卵塊が2つ見つかった。1つの卵塊には30個~50個もの卵が入っている。

伐採されたもみの生木をクリスマスツリーとして買う人は、虫や卵が付いていないかを慎重にチェックしてからにすべきだとゾルトウスキーは言う。大量に繁殖すれば木も枯らすし、少しでもいれば住居や庭への被害は免れない。「シタベニハゴロモは、あらゆる農作物に影響をおよぼす可能性がある害虫だ」とゾルトウスキーは話す。

webs181016-bug02.jpg同じく成虫。羽を閉じると灰色になる New Jersey Department of Agriculture

ニュージャージー州農務省は、シタベニハゴロモについて次のように説明している。「羽を閉じているときの成虫は、体長が1インチ(約2.5cm)、幅が0.5インチ(1.27cm)だ。前翅はグレーで黒い斑点があり、先端はグレーを背景にして黒い四角形が並び、網目模様になっている」

「後翅は赤と黒のまだら模様で、白い帯状の部分がある。脚と頭部は黒く、腹部は黄色で、幅広い黒い縞が入っている。幼虫のときは、黒に白い斑点があり、成長とともに、黒い背景に赤い領域が現れる」

同州農務省は、以下のように伝えている。「成虫と若虫は、植物の若い茎や葉軸の師部にとがった口器を突き刺し、汁を吸って生きている。そして、排泄物の液体を大量に排出し、すす病(黒く汚れたようなカビが生える病気)を発生させる」

シタベニハゴロモを見かけたら通報するよう呼びかけるニュージャージー州の動画
今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

最近の急速なウォン安・円安、深刻な懸念共有=日韓対

ワールド

米戦略石油備蓄の第1弾、来週末までに供給 8600

ビジネス

日立とGEベルノバ、東南アジアで小型モジュール炉導

ワールド

米商務省、AI半導体輸出の新規則案を撤回 公表から
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製をモデルにした米国製ドローンを投入
  • 2
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切りは常軌を逸している」その怒りの理由
  • 3
    有人機の「盾」となる使い捨て無人機...空の戦いに革命をもたらす「新世代ドローン」とは?
  • 4
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 5
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 6
    イラン攻撃のさなか、トランプが行った「執務室の祈…
  • 7
    「イラン送りにすべき...」トランプ孫娘、警護隊引き…
  • 8
    「映画賞の世界は、はっきり言って地獄だ」――ショー…
  • 9
    『ある日、家族が死刑囚になって』を考えるヒントに…
  • 10
    ファラオが眠る王家の谷に残されていた「インド系言…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 5
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 7
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 8
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 9
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 10
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中