最新記事

オリンピック

アジア大会は成功裡に閉会 開催地のインドネシアはメダル4位の大健闘で2032年五輪立候補へ

2018年9月2日(日)18時15分
大塚智彦(PanAsiaNews)

大統領宮殿にIOCのバッハ会長(左)、アジアオリンピック評議会のサバーハ会長(右)を招いたウィドド大統領 KOMPASTV / YouTube

<8月18日からジャカルタ・パレンバンで熱戦が繰り広げられてきたアジア大会。開催国インドネシアは過去最高の成績を納め、次のステップへ踏み出そうとしている──>

インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は9月1日、インドネシアが2032年のオリンピックに立候補することを明らかにし、早急に必要な書類を関係機関に提出する方針を示した。もしジャカルタ・オリンピックが実現すれば東南アジア地域では初の開催となるため、実現性の可能性はないことはないとの見方が有力だ。

国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長とアジアオリンピック評議会(OCA)のファハド・アル・サバーハ会長をジャカルタ南郊のボゴールにある大統領宮殿に招いたジョコ・ウィドド大統領は1日の会談で今回2018年のアジア大会の成果などに加えて2032年のオリンピックについて協議、意見交換をしたという。

同日の記者会見でジョコ・ウィドド大統領は「バッハ会長、ファハド会長の両人から今回のアジア大会の成功を称える言葉を頂いた。インドネシア政府としてはそうした評価を踏まえて今後、より大きな国際大会を招致したいと考えている」とした上で「2032年のオリンピック開催への立候補に必要な書類、手続きを早急に進めたい」として近く正式な立候補の手続きに入ることを明らかにした。

参考記事:熱戦続くアジア大会、スタジアムの外では警備のため超法規的殺人

目指すは東南アジア初の開催

これまでのオリンピックはアジア中東地域で開催されたのは東アジア地区の東京(1964年)、ソウル(1988年)、北京(2008年)の3都市だけで、東南アジア、南アジア、南西アジアそして中東地域では開催されたことがない。
今後のオリンピックは2020年に再び東京で開催され、その後はパリ(2024年)、ロスアンゼルス(2028年)での開催が決まっている。このため最速でもインドネシアが目指すことができるのは自動的に2032年大会となる。

2032年のオリンピックには東南アジアからマレーシアとシンガポールが共同開催を狙っているとされ、もしインドネシアが正式に立候補することになれば、東南アジア同士での争いとなる可能性もあり、そうなればいずれの国が開催するにしろ、東南アジアでの初開催実現への夢は膨らむことになるとみられている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日経平均は3日続伸、政策思惑が支援 TOPIX高値

ビジネス

三菱電機、退職金加算の時限制度を実施 募集人数は定

ビジネス

午後3時のドルは148円前半、首相辞任表明で円全面

ビジネス

ホンダ、小型モビリティ「ユニワン」を事業化 30年
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「稼げる」はずの豪ワーホリで搾取される日本人..給与は「最低賃金の3分の1」以下、未払いも
  • 3
    「あのホラー映画が現実に...」カヤック中の男性に接近する「超巨大生物」の姿に恐怖と驚きの声「手を仕舞って!」
  • 4
    ロシア航空戦力の脆弱性が浮き彫りに...ウクライナ軍…
  • 5
    コスプレを生んだ日本と海外の文化相互作用
  • 6
    金価格が過去最高を更新、「異例の急騰」招いた要因…
  • 7
    「ディズニー映画そのまま...」まさかの動物の友情を…
  • 8
    眠らないと脳にゴミがたまる...「脳を守る」3つの習…
  • 9
    今なぜ「腹斜筋」なのか?...ブルース・リーのような…
  • 10
    「日本語のクチコミは信じるな」...豪ワーホリ「悪徳…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 3
    眠らないと脳にゴミがたまる...「脳を守る」3つの習慣とは?
  • 4
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...…
  • 5
    「あのホラー映画が現実に...」カヤック中の男性に接…
  • 6
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 7
    「生きられない」と生後数日で手放された2本脚のダ…
  • 8
    「よく眠る人が長生き」は本当なのか?...「睡眠障害…
  • 9
    「稼げる」はずの豪ワーホリで搾取される日本人..給…
  • 10
    「ディズニー映画そのまま...」まさかの動物の友情を…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 6
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 7
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 8
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 9
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 10
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中