最新記事

日本経済

収入が減る一方で家賃は上がる──日本が過去20年で失った生活のゆとり

2018年7月18日(水)16時50分
舞田敏彦(教育社会学者)

これはあくまで全体平均で、分布をみると「家賃/年収」比が4割、5割を超える世帯もある。若年層では、こうした無理をしている世帯が多い。2013年の若年の借家世帯(世帯主が25歳未満)でみると、月平均家賃が4.6万円、平均年収が157.2万円なので、家賃年額が年収に占める割合は34.8%になる。地域別に見るともっと凄まじい値が出てくる。<表1>は、47都道府県を高い順に並べたランキングだ。

maita180718-chart02.jpg

最高の京都府では、若年の借家世帯の「家賃/年収」比が50%を超えている。収入の半分以上を家賃で持っていかれることになる。その次が東京都の45.0%で、北陸の2県も4割を超える。京都府や東京都は単身の学生が多いためだろうが、勤め人であれば家賃を払うために働いているようなものだ。

住居費がここまで生活に重くのしかかると、実家を出て世帯を構えることは難しく、親元にパラサイトせざるを得ない。若者の自立を促し、未婚化・少子化に歯止めをかけるためにも、「住」への公的支援が必要だろう。

資料:総務省『住宅・土地統計調査』

ニューズウィーク日本版 教養としてのミュージカル入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年3月17号(3月10日発売)は「教養としてのミュージカル入門」特集。社会と時代を鮮烈に描き出すポリティカルな作品の魅力[PLUS]山崎育三郎ロングインタビュー

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=反発、イラン作戦「ほぼ完了」とのトラ

ワールド

米、ロシア産原油への制裁緩和を検討 世界原油高に対

ワールド

G7、石油備蓄放出巡り10日に協議 エネ相会合

ワールド

G7財務相会合、石油備蓄放出決定至らず 必要な措置
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    ダイヤモンドのような「ふくらはぎ」を鍛える最短ルートとは?...スクワットの真実
  • 4
    40年以上ぶり...イスラエル戦闘機「F-35I」が、イラ…
  • 5
    「一日中見てられる...」元プロゴルファー女性の「目…
  • 6
    「巨大な水柱に飲み込まれる...」米海軍がインド洋で…
  • 7
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 8
    ホルムズ海峡封鎖、石油危機より怖い「肥料ショック」
  • 9
    なぜ脳は、日本的「美」に反応する? 欧米の美とは異…
  • 10
    プーチンに迫る9月総選挙の暗雲
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 5
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 6
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 7
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 8
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 9
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 10
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中