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スペースXの最新鋭ロケット 飛行機のように飛ばせるロケットへ大きく前進

2018年5月16日(水)17時50分
鳥嶋真也

5月12日に打ち上げられた、スペースXの最新鋭ロケット「ファルコン9 ブロック5」 (C) SpaceX

イーロン・マスク氏の宇宙企業スペースXは2018年5月12日(日本時間)、最新鋭ロケット「ファルコン9 ブロック5」の、初の打ち上げに成功した。

ブロック5は同社の主力ロケットである「ファルコン9」を大幅に改良したもので、最大100回もの再使用が可能になり、打ち上げコストの大幅な低減を狙う。さらに、宇宙飛行士を乗せた有人宇宙飛行も目指す。

ファルコン9ロケットとは

ファルコン9は同社の主力ロケットとして、2010年にデビュー。これまで50回を超える打ち上げをこなしている。

ファルコン9の最大の特徴は、機体の一部を着陸させて回収し、もう一度打ち上げる、「再使用」ができることにある。従来、ほとんどのロケットは打ち上げごとに使い捨てており、それゆえに打ち上げコストはきわめて高価だった。しかし、機体を再使用し、まるで飛行機のように運用できれば、コストの大幅な低減が見込める。

実際、スペースXはすでにファルコン9の再使用打ち上げを11回行っており、そのすべてに成功。またマスク氏や同社社長などは、実際にコストダウンにも成功していると発言している。

もっとも、これまでのファルコン9にとっては、再使用は実験や試験という意味合いが強く、再使用できる回数も1回だけにとどまっていた。

そして、その成果を踏まえて、より効率的に、そして何度も再使用ができる、改良型のファルコン9が開発されることになった。それが今回打ち上げられた「ファルコン9 ブロック5」である。

space002.jpg

ファルコン9の最大の特徴は、第1段機体を回収、再使用できることにある (C) SpaceX

目指すは10回以上の再使用打ち上げ

ブロック5には、何度も繰り返し再使用するために、機体やロケットエンジン、着陸脚、小型の翼などにさまざまな改良が施されている。マスク氏によると、ブロック5は「改修せずに10回以上、メンテナンスすれば100回以上の再使用打ち上げが可能」だという。

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