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イタリア新首相に政治経験ゼロの法学者コンテ氏 連立与党に弱い政権誕生か

2018年5月24日(木)10時30分

5月23日、イタリアのマッタレッラ大統領は、大衆迎合主義(ポピュリズム)政党「五つ星運動」と極右の「同盟」が推薦したフィレンツェ大学法学教授のジュゼッペ・コンテ氏(写真)を次期首相に指名した。ローマで撮影(2018年 ロイター/Alessandro Bianchi)

イタリアのマッタレッラ大統領は23日、大衆迎合主義(ポピュリズム)政党「五つ星運動」と極右の「同盟」が推薦したフィレンツェ大学法学教授のジュゼッペ・コンテ氏を新首相に指名した。

イタリア憲政史上初の反体制派政党による政権を政治経験のない首相が率いることになる。コンテ氏は閣僚名簿をまとめるのに数日かかると明らかにした。

コンテ氏はマッタレッラ大統領と2時間にわたって会談した後、記者団に「欧州をはじめ全世界のイタリア人の利益を守る用意がある。イタリア人の弁護人になる」と述べた。

3月の総選挙では過半数を獲得した政党がなく連立協議が難航し、政治的空白が続いていた。

コンテ氏は政治や組織運営の経験がなく、連立与党に対してほとんど影響力のない非常に弱いリーダーになる恐れも指摘されている。

与党が歳出を増やして債務がさらに拡大し、欧州当局との対立が強まるとの懸念からイタリアの金融市場では、10年物国債利回りは1年2カ月ぶり高水準をつけた。国債保証コストは約1年ぶりの水準へ上昇した。

欧州連合(EU)の欧州委員会は23日、加盟国に対する年次政策提言報告を公表し、イタリアについて、政治不安と利上げが金融面の安定を脅かす恐れがあると指摘した。欧州におけるイタリアの重要性を踏まえると、同国の問題が他のユーロ加盟国に重大な波及効果を及ぼす可能性があるとしている。

これに対しコンテ氏は当面の最重要課題は欧州の改革との認識を示した。

「政府は直ちに欧州の予算を巡る協議や難民法制の改革、銀行同盟の完成に取り組む必要がある」と指摘し「われわれが進む方向には国益が反映されなければならないというのが私の考えだ」と述べた。

組閣では経済相のポストが焦点になりそうだ。

同盟はイタリアのユーロ加盟は「歴史的な間違い」と主張するエコノミスト、パオロ・サボナ氏(81)を推している。

だが関係筋がロイターに語ったところによると、マッタレッラ大統領はユーロ懐疑派のエコノミストを経済相に据えることに難色を示している。

[ローマ 23日 ロイター]


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