最新記事

セクハラ

「MeToo」は広がるか? 6人の女性が語る日本のセクハラ問題

2018年5月24日(木)17時15分


「選挙で1票欲しければ胸を触らせろ」

◎野田聖子氏(総務相兼男女共同参画担当相、衆院議員)

「セクシャルハラスメントについて、軽く考え過ぎている、特に男性は。これが命取りになることをしっかり学んで欲しい。セクハラは、この程度はやむを得ない、という女性の諦めと、これぐらいはいいんだ、という男性のおごりのなかで、ずっとスルーされてきたと思う。もうそれでは許されない時代だということが、明らかになってきた」

「法律で必要なのは、被害者の保護と救済。あいまいになってはいけないので、法律の手当てがいると思う。(日本は)成熟した国家として、今まで見過ごしていたシリアスな問題だけど、男性が地域や職場において軽く見ていたことを深く反省しようという、何かアピールをしなければいけない」

「選挙に落選中、夜の酒席で1票欲しければ胸を触らせろとか、そんなの日常的だった。これ(セクハラ対策)は、自分にとってもクリアしなければならない問題だと思っている。やられたことのない人に片づけられる問題ではない」

◎上野千鶴子氏(社会学者、認定NPO法人ウイメンズアクションネットワーク理事長)

「セクハラは権力の濫用(らんよう)なので、管理職以上の地位にいる人がハイリスクグループであることが明らかになってきた。『まさかあの人が』とは言えない」

「職場における男女の権力の非対称性が解決しないと、セクハラの温床はなくならない。私たちがセクハラ事案にいちいち対応してきたのは、一種のモグラたたき。問題の温床がなくならない限り、まだいろいろなところで出てくるでしょう」

「ただ、今、社会的な空気がセクハラを許容しないという方向に変わってきたのは非常にいいこと。セクハラ訴訟件数が増えたし、勝訴率が上がっている。賠償金額が高額になってきた。そういうことから周りが学習していった。セクハラをすると損だと」

「ここまで、世論が許さないという雰囲気になってきたのは、私たちが積み重ねてきた努力の成果。それはもう隔世の感がある」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米ウクライナ首脳が電話会談、ゼレンスキー氏「防空強

ワールド

キーウに大規模攻撃、1人死亡・23人負傷 ポーラン

ワールド

イスラエルがガザ空爆、20人死亡 米は停戦案へのハ

ビジネス

訂正(3日付記事)-ユーロ圏インフレリスク、下向き
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 3
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸せ映像に「それどころじゃない光景」が映り込んでしまう
  • 4
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 5
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 6
    「登頂しない登山」の3つの魅力──この夏、静かな山道…
  • 7
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 8
    1000万人以上が医療保険を失う...トランプの「大きく…
  • 9
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 10
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 3
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 4
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 5
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 6
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 7
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 8
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 9
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 10
    普通に頼んだのに...マクドナルドから渡された「とん…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 4
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 7
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギ…
  • 8
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 9
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 10
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中