邦銀大手、支店統廃合で前倒し損失 欧米の小規模多店舗化に「1周遅れ」
巨大な支店網を構築する欧米銀
邦銀が支店網のリストラに走る中、欧米では巨大なネットワークを維持し、リテール業務で収益を上げている銀行も少なくない。
仏大手銀のBNPパリバや、スペイン大手銀のサンタンデールなどの本国での支店は、数千店規模だ。小規模・軽量化を進めた支店内では現金を一切扱わずに事務コストを大きく引き下げている。競争環境や人口密度などで一概には比較はできないが、邦銀の「1周先」を走っているのが実情だ。
マッコーリーキャピタル証券の守山啓輔シニアアナリストは「資産運用や信託業務などの分野では、リテール店舗の重要性は低下しない。高品質のサービスは対面が欠かせず、高収益性という形で顧客からの評価を得られる」と語る。
粗利はネットバンキングなどのデジタル・チャネルや、相談業務などの機能に特化した小型店舗で維持しつつ、コスト削減を図るという「両面作戦を闘うような厳しいオペレーション」(大手行役員)を強いられる大手銀。厳しい環境下で利益目標をどのように達成していくのか、経営陣の力量が問われることになる。
(布施太郎、取材協力:浦中大我 編集:田巻一彦)


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