最新記事

セクハラ

韓国に吹き荒れる「Me Too」 私も危なかった

2018年3月2日(金)19時43分
杉本あずみ(映画配給コーディネーター)

筆者自身も、今思えば#MeTooと告発する被害者だったと思われるセクハラを受けたことがある。もう10年以上も前、2006年の話だが、ある映画作品の撮影現場で仕事をしていた。ある日雨で撮影がキャンセルになり、出演している中年俳優にランチに誘われたため数人で高級日本料理店に行った。雨が強くなったので駅まで送ってくれるというその俳優の車に乗ったものの、その後車は駅に向かわずラブホテルの駐車場に入ったのだ。すぐに車から降りて駐車場から逃げたが、彼は後を追いかけてきて10万ウォンの小切手を握らされた。

その後も撮影は残っており、そのたびに現場で顔を合わさないように、絶対に二人きりにならないように気を使ったのは言うまでもない。その時、車の中でその俳優が言った言葉は衝撃的でよく覚えている。「このままホテルに行ったら外国人タレントとしてデビューさせることもできる......」映画出演に全く興味がなかったし、そもそも女優やタレントになるために韓国まで来て頑張っていたわけでもないのに、そう言えば口説き落とせると思われた自分が悔しかった。また、撮影現場では「韓国映画は男性主演の映画が多い。女性の出番が少ないから残り少ない配役を求めて、出演するためなら女優は何でもする」と、枕営業を仄めかす言葉を聞いたこともあった。

海外では映画祭などでMe Tooを支持するブラックドレスを着る運動が起こっているが、今年、釜山国際映画祭など韓国の映画祭のレッドカーペットでもブラックドレスは見られるのだろうか? 
熱しやすく冷めやすい韓国人気質ではあるが、この運動が続くことで、セクハラ被害を訴えることが可能な社会になり、また多くの女性や男性の被害者が少しでも減るようになればと思う。

そしてこれを機に韓国、そして日本を含めたアジアのエンターテインメント業界が意識改革を進めることを強く望んでやまない。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中東紛争で「空の過密」深刻化、欧州航空安全庁 対ド

ワールド

三井物産、オマーン陸上油・ガス田権益の一部売却を延

ビジネス

日経平均は3日続落で1400円超安、中東警戒ムード

ワールド

豪首相、トランプ氏にイラン戦争の目的明確化を要求 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 2
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度を決める重要な要素とは?
  • 3
    ビートルズ解散後の波乱...「70年代のポール・マッカートニー」を再評価する傑作映画『マン・オン・ザ・ラン』
  • 4
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のS…
  • 5
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 6
    【銘柄】東京電力にNTT、JT...物価高とイラン情勢に…
  • 7
    ヒドラのように生き延びる...イランを支配する「革命…
  • 8
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反…
  • 9
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 10
    カタール首相、偶然のカメラアングルのせいで「魔法…
  • 1
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 2
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 3
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」モナコ舞踏会に見る富と慈善
  • 4
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店…
  • 5
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 6
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 7
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 8
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 9
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 10
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 6
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中