最新記事

セキュリティー

「パスワードは定期的に変更してはいけない」--米政府

NIST: You Shouldn't Periodically Change Your Password

2017年5月23日(火)15時00分
AJ・デリンジャー

Kacper Pempel-REUTERS

<アメリカの電子認証専門機関が、定期的なパスワード変更の推奨をやめると決めた。エンドユーザーもいずれ、代わりの新しい「パスフレーズ」を要求されるようになるはすだ>

米政府機関はもう、パスワードを定期的に変えるのを推奨しない。アメリカの企画標準化団体、米国立標準技術研究所(NIST)が発行する『電子認証に関するガイドライン』の新版からルールを変更する。

ウェブサイトやウェブサービスにも、サイトが乗っ取られたのでもない限り、「パスワードが長期間変更されていません」などの警告を定期的に表示するのを止めるよう勧告するという。銀行や病院のように人に知られてはいけない個人情報を扱う機関も同じだという。

【参考記事】パスワード不要の世界は、もう実現されている?!

実は近年、情報セキュリティー専門家の間でも、特別の理由がない限り、ユーザーにパスワード変更を求めるべきではないという考え方が増えてきた。なぜなら、ユーザーは新しいパスワードをいい加減に作る傾向があるからだ。どうせ数カ月後に変更を求められると思えばなおさらだ。

「パスフレーズ」の普及を

ノースカロライナ大学チャペルヒル校の調査によると、定期的にパスワード変更を求められると、人々は多くの場合、まったく新しく作り直すのでなく、同じパターンで少しずつパスワードを変更する。どこかの1文字だけを順番に変えていくなどのパターンになりやすい。

【参考記事】サイバー攻撃で他国を先制攻撃したいドイツの本音

仮に、まったく新しいパスワードを作るよう求めても結果はあまり変わらない。ハッカーはどちらのパスワードでも容赦なく解読してくる。つまり、パスワードの変更はハッカーよりユーザーに不便を強いる。

【参考記事】ランサムウエア「WannaCry」被害拡大はNSAの責任なのか

定期的なパスワード変更を止める代わり、NISTは最低64文字でスペースも入れられる「パスフレーズ」を推奨する。フレーズにすれば長くても覚えやすく、桁数が多いので解読されにくい。

NISTからの通達が出回れば、定期的なパスワード変更の代わりに「パスフレーズ」を求めるサイトやサービスも増えてくるだろう。

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガリニューアル!
ご登録(無料)はこちらから=>>

ニュース速報

ビジネス

EU、貿易摩擦解消で米国と話し合う用意=マルムスト

ビジネス

ECB、物価が正しい方向に向かっていると確信=仏中

ビジネス

焦点:日銀の物価分析、構造要因にメス 物価2%に一

ビジネス

ECB、金融政策の正常化開始が重要=独連銀総裁

MAGAZINE

特集:米朝会談の勝者

2018-6・26号(6/19発売)

トランプ、金正恩、日本、中国......世紀の対面で得したのは? 会談結果から見えてくる米朝交渉と非核化の行方

人気ランキング

  • 1

    噴火がつづくハワイ・キラウエア火山──空から宝石が降って来た

  • 2

    「魚や貝を通じてプラスチックを食べている」という研究結果が明らかに

  • 3

    「家賃は体で」、住宅難の英国で増える「スケベ大家」

  • 4

    サンスクリット語でマントラを暗唱すると、脳灰白質…

  • 5

    世界最軽量、ワイヤレスで給電できるハエのような飛…

  • 6

    女児型セックスロボットは社会の敵

  • 7

    米朝会談「アメリカは高潔・聡明、敵はクレイジー」…

  • 8

    頭は鳥、体は魚!? 釣り針にかかった奇妙な生き物…

  • 9

    全長7mの巨大ヘビが女性を丸のみ インドネシア、…

  • 10

    世界で最も軍事化された朝鮮半島の南北軍、軍事力を…

  • 1

    頭は鳥、体は魚!? 釣り針にかかった奇妙な生き物の正体は...

  • 2

    噴火がつづくハワイ・キラウエア火山──空から宝石が降って来た

  • 3

    女児型セックスロボットは社会の敵

  • 4

    「魚や貝を通じてプラスチックを食べている」という…

  • 5

    全長7mの巨大ヘビが女性を丸のみ インドネシア、…

  • 6

    大阪北部地震、被害状況しだいに判明 企業活動にも…

  • 7

    北朝鮮の脅威が去れば、日本の次の「敵国」探しが始…

  • 8

    生まれつき膣のない女性に魚の皮で「新しい膣」 人…

  • 9

    サンスクリット語でマントラを暗唱すると、脳灰白質…

  • 10

    新しい音楽を楽しめるのは30歳まで?

  • 1

    頭は鳥、体は魚!? 釣り針にかかった奇妙な生き物の正体は...

  • 2

    会談中止で言ってることが支離滅裂......金正恩のメンタルは大丈夫か

  • 3

    トランプみごと!──金正恩がんじがらめ、習近平タジタジ

  • 4

    中国激怒──米朝首脳会談中止

  • 5

    生まれつき膣のない女性に魚の皮で「新しい膣」 人…

  • 6

    厳罰に処せられる「ISISの外国人妻」たち

  • 7

    クルド女性戦闘員「遺体侮辱」映像の衝撃──「殉教者…

  • 8

    噴火がつづくハワイ・キラウエア火山──空から宝石が…

  • 9

    女児型セックスロボットは社会の敵

  • 10

    「ゴースト」「ドイツの椅子」......ISISが好んだ7種…

グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
ニューズウィーク・デジタル編集部アルバイト募集
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版

SPECIAL ISSUE 丸ごと1冊 プーチン

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2018年6月
  • 2018年5月
  • 2018年4月
  • 2018年3月
  • 2018年2月
  • 2018年1月