最新記事

原発

ウエスチングハウス破産申請か 東芝に問われる保証責任

2017年3月11日(土)08時46分

麻生金融相は閣議後会見で「チャプター11(同11条)の適用申請をしないとWHの部分が確定しないから、東芝の決算も出しにくいということになっているのではないか」と指摘。3月中に適用申請を決めるべきだとの見方を示した。

主力行幹部からは「WHのリスクを遮断しないと2017年3月期決算がまとまらない」との指摘が出ている。8日の衆院経済産業委員会で世耕弘成経済産業相は「米国連邦破産法11条は必ずしも後ろ向きの話ではない」と答弁した。

米国での4基、建設遅れで追加損失も

WHが米国で進める原発建設では、さらに損失が膨らむとの見方が根強い。2020年12月までに4基それぞれが運転開始できない場合、発注元の電力会社は8年間に及ぶ税制優遇が受けられなくなる、というリスクがあるためだ。 これら4基の建設作業にはこれまでに3年程度の遅れが発生している。

日本国外の電力事業に関する調査などを行っている海外電力調査会によると、税制優遇が受けられなくなることで、電力会社側は1基当たり11億ドル(約1250億円)相当の優遇メリットを失う計算という。4基がいずれも優遇が受けられなくなれば、その額は5000億円規模に上る。原発の運転開始が遅れ、それがWHによるものと電力会社側が判断すれば、WHがこの優遇メリットの逸失について賠償請求される可能性は否定できない。

親会社保証の履行迫られる事態も

これとは別に、WHが破産法による再建手続きに入り、米国での4基の建設ができなくなった場合も、東芝は顧客の電力会社側から損害賠償を要求される可能性がある。 東芝はWHに対して7935億円の親会社保証をしているが、この保証の履行が必要となるのかどうか、東芝内部で検討が続いているもようだ。

会計評論家の細野祐二氏はロイターの取材で、WHが適用申請を行った場合、東芝が約8000億円の保証の履行を回避できるかどうかについて「それはあり得ない。すぐに請求が来るだろう」と話している。

(浜田健太郎、布施太郎 編集:内田慎一)

[東京 10日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

IEA、最大規模の石油備蓄放出勧告へ 計4億バレル

ワールド

ホルムズ海峡で3隻に飛翔体直撃、日本船籍コンテナ船

ワールド

イラン、米・イスラエル関連の域内経済・銀行拠点をを

ワールド

市場変動が経済への衝撃増幅も、さまざまなシナリオ検
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開された皇太子夫妻の写真が話題に
  • 4
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 5
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 6
    40年以上ぶり...イスラエル戦闘機「F-35I」が、イラ…
  • 7
    「一日中見てられる...」元プロゴルファー女性の「目…
  • 8
    人間ダンサーを連れて「圧巻のパフォーマンス」...こ…
  • 9
    イランがドバイ国際空港にドローン攻撃...爆発の瞬間…
  • 10
    ホルムズ海峡封鎖、石油危機より怖い「肥料ショック」
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 4
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 5
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 6
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 7
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示…
  • 10
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だっ…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中