最新記事

宇宙国家

宇宙国家「アスガルディア」構想が始動:軌道上から地球を防衛、国民も募集中

2016年10月14日(金)17時00分
高森郁哉

宇宙国家「アスガルディア」のシンボルを施した衛星のイメージ AIRC/Asgardia.space

 ロシアや米国など4カ国の宇宙開発専門家らのグループが、衛星軌道上に独立国家「アスガルディア」を建設する構想を発表した。米ニュースメディアのビジネスインサイダーなどが報じている。

構想の概要

 グループはパリで10月12日に記者会見を行い、プロジェクトのウェブサイトも公開した。同サイトによると、アスガルディアという名称は、北欧神話に登場する神々の住む国「アースガルズ」に由来(同じく北欧神話に着想を得たアメコミヒーロー映画『マイティ・ソー』でも、神々の住む星「アスガルド」が描かれている)。地上ではなく天空に浮かぶ史上初の「宇宙国家」を目指し、独自の憲法も整備するという。

 人類初の人工衛星スプートニク1号が打ち上げられてから60周年にあたる2017年に、プロトタイプの人工衛星を打ち上げる計画だとしているが、技術的な詳細は明かされていない。ビジネスインサイダーの記事は、将来的な目標として、小惑星の資源開発ミッションや、危険な隕石や宇宙ゴミから地球を防衛するミッションの拠点となることを掲げているという。

asgardia-vaughan.jpgアスガルディアの宇宙ステーションのイメージ(Asgardia/James Vaughan)

発案者らの顔ぶれ

 プロジェクトのリーダーを務めるのは、旧ソ連圏のアゼルバイジャン出身で現在はロシア国籍のイーゴリ・アシュルベイリ氏。地対空ミサイルシステムなどを開発するロシアの防空企業アルマズ・アンテイのCEOを務めたのち、2013年にオーストリアのウィーンに拠点を置く航空宇宙国際研究センター(AIRC)を設立。現在は国際連合教育科学文化機関(UNESCO)の宇宙科学委員会で議長を務めている。

 記者会見で提供された資料によると、メンバーにはほかに、米ライス大学の宇宙研究所所長、加マギル大学の航空・宇宙法研究所所長、米ジョージ・ワシントン大学の宇宙・高度通信調査研究所(SACRI)所長、ルーマニアの宇宙飛行士の名前が挙がっているという。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

米FDA、医薬品審査の迅速化で担当職員に賞与支給へ

ワールド

米カンザス州、トランスジェンダー住民の運転免許や出

ビジネス

中国、元高抑制へドル買い促す 外貨リスク準備金を実

ワールド

アジア時間の原油先物は小幅安、米・イラン協議継続で
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
2026年3月 3日号(2/25発売)

フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 3
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルーの大スキャンダルを招いた「女王の寵愛」とは
  • 4
    戦術は進化しても戦局が動かない地獄──ロシア・ウク…
  • 5
    住宅の4~5割が空き家になる地域も......今後30年で…
  • 6
    中国で今まで発見されたことがないような恐竜の化石…
  • 7
    「まるで別人...」ジョニー・デップの激変ぶりにネッ…
  • 8
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 9
    【和平後こそリスク】ウクライナで米露が狙う停戦「…
  • 10
    「3列目なのにガガ様が見えない...」観客の視界を遮…
  • 1
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 2
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 3
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体には濾過・吸収する力が備わっている
  • 4
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの…
  • 5
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 6
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 7
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 8
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 9
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 10
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由.…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 5
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 6
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中