最新記事

ポケモンGO

米で大人気の「ポケモンGO」、ISISとの前線でプレイする猛者も登場

2016年7月13日(水)16時20分
高森郁哉

写真は、ポケモン・ゴーで表示されたニューヨークのブライアント・パーク。Mark Kauzlarich-REUTERS

<日本に先駆けて米国などでリリースされたモバイルアプリゲーム「Pokémon GO」が、爆発的な人気を博し、人気のあまり各地で、さまざまな反響を呼んでいる>

 任天堂など3社が共同開発したモバイルアプリゲーム「Pokémon GO」(ポケモンGO)が、日本に先駆け米国など数カ国で7月6日にリリースされ、爆発的な人気を博している。市場調査会社センサー・タワーの推計によると、11日時点での米国におけるiOS版とアンドロイド版の合計ダウンロード数は750万件。同ゲームは無料でダウンロードできるが、アイテムを入手するためのアプリ内課金があり、iOSのApp Storeでは1日あたり160万ドルの売り上げがあるという。また、Android Centralの記事は、12日にGoogle Playでの累計ダウンロード数が1000万件を超えたとしている。

 Pokémon GOは、位置情報と拡張現実(AR)を活用するゲーム。スマートフォンのカメラを介した現実世界の画面に現れるポケットモンスター(ポケモン)を捕まえたり、交換したり、バトルしたりできる。

「ポケモンと機関銃」のFB投稿が話題に

 Pokémon GOの人気は、意外な層にまで広がりをみせている。それは、日々現実の「バトル」に身を置く米国の兵士たちだ。イラクの前線でテロ組織ISIS(自称イスラム国、ダーイシュとも呼ばれる)と向き合うある志願兵が、機関銃の映り込んだPokémon GOのキャプチャ画面をフェイスブックに投稿し、750回以上シェアされるなどして大きな話題に。米ニューズウィークほか多くのメディアも取り上げた。

 投稿の主は、元米海兵隊歩兵のルイス・パーク氏(26歳)。イラクにはアッシリア系の民兵組織に義勇兵として参加し、ISIS支配下のモースルから32キロ北のテレスクフから7月8日、キャプチャ画像を添えてこう投稿した。
「テレスクフに近いモースルの前線で、最初のポケモンを捕まえた。ダーイシュ、ポケモンのバトルで俺と勝負しろ」

pokemon-go-iraqi-mosul.jpg

ルイス・パーク氏のFacebookから

 パーク氏はこのキャプチャ画像に先立ち、こんな投稿もしていた。

「Pokémon GOがリリースされた......。ポケモンのバトルでダーイシュと勝負できたらいいのにな」

ハマる米兵が急増中? 米軍公式アカウントが注意喚起

 米国ではすでに、Pokémon GOに夢中になるあまり、歩行中や運転中に大けがをしたり事故を起こしたりする事例が報じられている。こうした事態を受けて、米軍の複数の基地がフェイスブック公式アカウントを通じ、兵士と近隣住民らに注意を喚起したと、Air Force Timesが報じている。

 ワシントン州にあるルイス=マコード統合基地は、Pokémon GOのユーザーに向けて、次のように呼びかけた
「基地内の規制された区域、オフィスビル、住居に、ポケモンを追いかけて侵入しないでください」「駐車場や交差点では十分に注意して。電話から顔を上げて、通りを渡る前に両側をしっかり見ましょう。ポケモンは急にどこかに行ったりしませんから」

poke1.jpg


 ノースカロライナ州のシーモア・ジョンソン空軍基地も、兵士に向けて次のように投稿した
「もし諸君がPokémon GOをプレイしているなら、以下のことに留意するように。制服で歩いているときに機器を使用しない。周囲に気を配る。ポケモンを捕まえるために規制区域に侵入しない!」

poke2.jpg

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

デンマーク、女性も徴兵対象に 安全保障懸念高まり防

ワールド

米上院可決の税制・歳出法案は再生エネに逆風、消費者

ワールド

HSBC、来年までの金価格予想引き上げ リスク増と

ビジネス

焦点:税収増も給付財源得られず、頼みは「土台増」 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 2
    ワニに襲われ女性が死亡...カヌー転覆後に水中へ引きずり込まれる
  • 3
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。2位は「身を乗り出す」。では、1位は?
  • 4
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 5
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 6
    世紀の派手婚も、ベゾスにとっては普通の家庭がスニ…
  • 7
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    あり?なし? 夫の目の前で共演者と...スカーレット…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 1
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 4
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた…
  • 5
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 6
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 7
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 8
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 9
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 10
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中